飼育歴4年が語るトランスルーセント グラスキャットの飼育
スケスケの体で人気のトランスルーセント・グラスキャット(以下グラスキャット)。
私のお気に入りの魚の1つであり、我が家では4年ほど飼育している。
今回は、そんなグラスキャットの飼育において気を付けるべきことなどを紹介していきたい。
基本データ
【種名】
【学名】
Kryptopterus bicirrhis
【英名】
Glass catfishまたはGhost fish
【分類】
【大きさ】
最大で8~10センチ
【食性】
雑食(と言われているがほぼ肉食)
【生息地】
ボルネオ島などの東南アジア
【水温】
20~27℃
【寿命】
3~5年
本魚の習性、傾向
トランスルーセント グラスキャット4年間飼育観察をしてきた中で、気付いたことを書いておく。
※あくまでこういう可能性を持った魚だと参考にしてください。
群れる魚である
YouTubeなどで泳いでいる姿を検索すればほとんどが群れているはず。
この魚は臆病で物陰からほとんど出てこないので、ぜひ群れさせてストレスを軽減させてやりたい。
ただ、群れさせたからといって物陰から積極的に出てくる魚でもない。
我が家では60ワイド水槽に6匹の飼育だが、なんと物陰で群れている。
単独にすると出てこなくなり、群れにしたところで群れ単位で隠れる場合がある。
群れるさせることを前提で、隠れる場所が少ない開放的なレイアウトを組むなど、水景作りを工夫してほしい
ほぼ肉食の雑食性
ネットなどで調べると「雑食」と出てくるが、観察上はほぼ肉食。
植物のかけらをかじったりしているのを見たことがないし、コケにも全く興味なし。
小型といってもナマズだし肉食傾向が強いのかな?
水槽のフタは必須
これはほとんどの魚に必要なものだと思うが、臆病でビビりなのでこの魚は特に注意してほしい。
観察上一番飛び出しやすいのはライトをつけたとき。
水槽にはライトをつけている人がほとんどだと思うが、この"ライトをつけた瞬間"にとんでもなく大暴れする。
特にオートタイマーでライトの点灯を管理していて、仕事などで点灯時に居合わせないことが多い人は注意。
何度か自分の目の前で飛び出してます。
少々大きくなる
トランスルーセント グラスキャットは小型カラシンなどと比べると少々長生きで、大切に飼育すれば5年は生きる。
しかも10センチ近くまで成長する。
後述だがミナミヌマエビは食われる可能性があるので注意。
死んだふりをする
たまに底や水草に横たわって死んだふりをします笑
結構見てるこっちもびっくりするくらいに死んでるっぽく見える。
さすがにないと思うが、誤って生きた個体を死んだと思って埋葬しないように。
夜行性?
夜部屋もろとも水槽も真っ暗にしてから時間をおいて暗闇から見てみると、隠れ場所から出てきて遊泳していることが多い。
ライトを消す前に餌をやったりするなど、夜行性の魚としての飼育もおそらく楽しめるが、昼行性の魚として明るいときに餌をやってOK。
昼だろうが餌をやるとちゃんと出てくるので。
飼育例
我が家では60センチワイドのコリドラス水槽の中で6匹飼育している。
6匹だと水槽の大きさに対しては少なく感じるが、6匹でおさえているのは水槽のメインがコリドラスだから。
60センチクラスの水槽ではグラスキャットをメインにするなら最低8~10匹くらいはいてもいい。
もちろん、ろ過と相談してからね。
まとまった数を入れると群れてくれる。
10センチいかないとしても大きくなるやはりと迫力出る!
餌の話
まず、上記のように夜行性扱いしなくとも飼育できるので、餌は特段暗くしてからやる必要はない。
そして、この魚は底のほうにいることが多いので、できるだけ沈むタイプの餌をあげたい。
ただ、慣れれば浮遊する餌も食べてくれる。
我が家のグラスキャットは、上層魚にあげているメディフィッシュを水面まで上がってきて食べにくることがある。
餌はひかりクレスト ミニキャットが安定
グラスキャットの餌は個人的にはミニキャットが大安定。
ことから、我が家では飼育当初からずっとこの餌を使い続けている。
グラスキャットは口が大きめなので、この餌を一粒丸のみにして食事が終了。
また他の餌として不定期(週に1回程度)であるが、冷凍赤虫もあげている。
こちらもバクバク食べてくれる。
我が家の給餌例を載せておくと
・ミニキャットを週4~5日
・冷凍赤虫を週1
参考にしていただけるとありがたい。
※どちらも1日1回の給餌になります。赤虫とミニキャットは同日に与えません。
備考:コリタブについて
我が家ではコリドラスが同居している関係でコリタブも与えています。
すると、たまにコリタブを頑張って食べようとする個体がいます。
コリタブを頑張って口にくわえるのですが、結局大きすぎて食べられず、水槽のどこかに落っことします。
これは場所が悪いと食べ残しになり、水質悪化につながる恐れがあります。
多分割って小さくすれば食べてくれますが、それでもコリタブは固いので食べにくいと思います。
ですので、トランスルーセント グラスキャット向けの餌としてはあまりオススメしません。
混泳
この魚の混泳で気を付けるべきことは、餌がちゃんと回るか、体格差がありすぎないかということ。
私自身、色々な魚を混泳させてきたので、経験談で相性を書いていきたいと思う。
※混泳には個々の性格など様々な要素が絡むので、ここで提示するものはあくまで参考にしてください。
相性◎(小競り合いを含めて1年以上何ら問題なし)
★をつけたのは個人的に特にオススメ。
・コリドラス各種 ★
→底物水槽を作るなら是非候補に入れたいタンクメイト。コリドラスにはコリタブを、グラスキャットにはミニキャットをあげると食いっぱぐれがない。
・ニューギニアレインボー ★
→口が小さく、餌を奪うようなことがない。メディフィッシュなどで上層で餌をあげ、底ではミニキャットをあげればOK。
・ロックシュリンプ
→非常に大人しく、グラスキャット用に多めにミニキャットを撒けばそれを一緒に食べている。
・オトシンクルス(ネグロもOK)★
→大人しく、コリタブでOK。
・エクエスペンシル ★
→ニューギニアレインボーと同じ。
・ピグミーグラミー
→ミニキャットを食べるので給餌範囲はかぶるが、多めに撒けば心配なし。グラスキャットに危害を加えることもなし。
・ヤマトヌマエビ ★
→グラスキャット専用水槽にするのであればコケとり要員として、または水槽の変わり者として最高の相性。体がある程度大きいので食べられない。
相性○(怪我などの致命的なトラブルはないが、要観察)
→飼ったことのある人なら分かるだろうが、目の前で素早く餌をかっさらうので、餌が回らなくなると危険。グラスキャットは臆病なので、体が小さい魚に対してもびびる。
・ボララスブリジッタエ
→ブリジッタエは小さく、対してグラキャットは少々大きくなるので、個体による体格差には要注意。あまりにも小さいとMAXサイズのグラスキャットに捕食される可能性あり。
・パキスタンローチ
→喧嘩などはしないが、パキスタンローチは遊泳力があり、常に動き回って他の魚にちょっかいを出す。これによって混泳魚が死んだりしたことはないが、ストレスになる可能性はある。
→ペアでなければ基本的に問題はないが、それでも餌の時間になると少々気が荒くなる。他の魚を追い払う行動をとるので、臆病なグラスキャットには注意。
→私の経験上では問題はないが、ホームセンターで4~5センチのグラスキャットが小さめのミナミヌマエビを追いかけて丸のみにする場面を目撃し、グラスキャットの凶暴性に驚いたことがあったので、こちらに入れさせてもらった。
いくら大人しいと言えども、捕食者としての一面がある可能性があることを忘れてはならない。
色々な種と混泳させてきたが、総じて致命的なトラブルはなかった。
これだけ混泳させてきてトラブルがほとんどないのは、はやりトランスルーセント グラスキャットは他魚への攻撃性の低さという点では混泳向きの魚なのだろうと思う。
もちろん、日々の観察や給餌などをしっかり行う上での混泳だ。
最後に
長い2本の髭と、骨までスッケスケの体が特徴のこの魚。
自然界では群れで生活し、この透明な体によって外敵に見つかりにくくしているようだ。
グラスキャットの英名はghost fish。
まさに幽霊みたいな魚だ。
この魚はこう見えてナマズの仲間。
日本にいるようなずんぐりむっくりした黒いものとは全然違う形をしているね。
ナマズは英語でcatfishと言うので、名前に「キャット」とついたらナマズの仲間と覚えておくといいかも。
観賞魚として人気が高い魚であり、ホームセンターやペットショップに行けば数百円で手に入れることができる。
ただし、この魚は繁殖難易度がとても高い。
また雌雄の区別は外見での判断ではかなり難しいです。
海外のサイトによると、水槽での繁殖を狙うには、浮き草を入れたり、水温や水量を調整してグラスキャット達の棲んでいる環境や雨季などの気象を再現することで産卵を促す必要があるらしい。
私は自分の飼育しているグラスキャットが何度か交尾をしているのを目撃している。
けれども、産卵に至ったことは一度もなかった。
私が見たいくつかの海外サイトのうちの一つだが、繁殖に意欲のある方は是非見てみるのも良いかと
How to Breed Glass Catfish | Animals - mom.me
では、今日はこれで!
今日も群れるよ!