生きるものに魅せられて

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プランクトンって何者?

プランクトンは海や湖沼の生態系を支える小さな生き物だ。

誰もが一度は聞いたことがあるであろう名前だが、では、プランクトンとは何だろうか。

今回は、プランクトンとは何か、雑学なども含めて分かりやすく解説していこう。

 

目次

 

プランクトンってなんだ?

プランクトンとは一言で言うと

 

遊泳力を持たず、水の流れのままに漂う生物の総称

 

である。

 

つまり、プランクトンとはある特定の生き物の名前を指すわけではなく、泳がずに水の中を漂う生き物をまとめてそう呼ぶのである。

 

だから、プランクトンはミジンコのような極小のサイズのものもいれば、数十メートルにもなるクラゲのようなものもいる

 

プランクトン=微生物ではないし、プランクトン=顕微鏡などを使わないと見ることができない小さな生物というわけではない

また、必ずしも海の中に棲んでいるわけではない

 

さらに、プランクトンは「水の中に棲んでいて、かつ遊泳力が小さい」という行動の特徴を示す言葉でもある。

ちょっと分かりにくいかもしれないが、次で具体例を挙げていきたいと思う。

 

海を泳ぐ魚も元はプランクトン?

プランクトンとは泳がずに、水中を浮遊する生物の総称であり、またはそういった行動の特徴だと述べた。

ここで、生まればかりの魚の稚魚や、魚の卵を考えてほしい。

 

魚の稚魚は生後すぐには泳げず、水中を漂うものが多く、卵に至っては遊泳力はゼロだ。

何を言いたいのかというと、産み落とされた魚の卵や、生まれたばかりの魚の稚魚もプランクトンなのだ。

 

この場合、生まれたばかりの魚をプランクトンと呼んでもいいし、「魚は生まれてしばらくはプランクトン生活をする」と表現できる

そう、海を悠々と泳ぐ魚だって最初は皆プランクトンだったのだ。

 

※備考 魚の稚魚はプランクトンであるが、成長して遊泳力がつくとネクトンと呼ばれるようになる。

 

プランクトンにも色々いる

プランクトンは総称であるから、もちろん色々な種類がいる。

例えば、植物プランクトンと動物プランクトンに大別できる。

 

プランクトンの中でも太陽光や二酸化炭素を使って有機物を合成する、いわゆる植物は植物プランクトンと呼ばれる。

アオミドロやクンショウモ、ミカズギモは植物プランクトンの一種だ。

小中の理科の授業で聞き覚えがあるかな?

 

一方で、自力で有機物は作れないけれども、植物プランクトンなどを食べることによって成長するものは動物プランクトンと呼ばれる。

動物プランクトンとしてはミジンコやゾウリムシが有名だ。

 

では、一体プランクトンは一体何種類いるのか、これは分かっていない。

例えば海洋性の植物プランクトンは既知で4000~5000種いると言われているが、動物プランクトンは一体どれくらいいるか。

興味深いニュースを見つけたので紹介しておこう。

www.sankei.com

 

記事によると、海洋性の動物プランクトンだけで15万種いるのではないかということだ。

 

海の中はウイルスだらけ?

何十万種という膨大な数がいるプランクトン。

では、海の中で一番多い生き物はプランクトンだろうか。

食物連鎖を考えると食べられる生物が食べる生物よりも数が多いのだから、

 

動物プランクトン<植物プランクトン

 

となる。

しかし、植物プランクトンよりも多い生物がいる。

 

それは細菌である。

 

植物プランクトン光合成をするから、海の表面や、太陽光か届く深さにしかいない。

だが、細菌は深い海の中にもいる。

そして、さらに細菌よりも数字一桁多いものがいる。

 

それがウイルスだ。

 

というわけで、海の中は数で言うと

 

魚<動物プランクトン<植物プランクトン<細菌<ウイルス

 

なのである。

プランクトンよりも細菌、そして細菌よりもウイルスが多いんだね。

海の中が実はウイルスだらけって、ちょっと海に入るのが怖くなるかも笑

 

※備考 ウイルスは厳密には生物ではない。詳しくは下記記事を参考にしてほしい。

 

inarikue.hatenablog.com

 

終わりに

ここまで読んでくれてありがとう。

今回はよく知っているようで実はあまり知らないプランクトンについて解説した。

 プランクトンについてはまだまだ解説したいことが沢山あるし、ウイルスだらけの海に入っても簡単に病気にならない理由とか、疑問は尽きない。

 

雑学的な解説だったけれども、当記事を通して生き物の面白さを少しでも感じていただければ幸いだ。

 

では、今回はここまで。