飼育歴4年が語るコリドラスの飼育
コリドラスは熱帯魚の中でも人気のある魚だ。
かくいう私もコリドラスの飼育を始めて4年になる。
今回はコリドラスの飼育方法について、実体験を交えながら簡潔に書いていきたい。
どのサイトにでも載っているような情報ばかりではなく、何かプラスアルファで情報をお届けできたら光栄である。
目次
水槽の話
コリドラスに限った話ではないが、魚を飼うにあたってまず悩むのが水槽の大きさだ。
私は、そういう迷っている人には60センチのレギュラー水槽か60センチのワイド水槽をオススメする。
オススメの水槽の大きさ
60センチレギュラー(規格)水槽
大きさ・・・幅60×奥行30×高さ36
水量 ・・・65リットル
60センチワイド水槽
大きさ・・・幅60×奥行45×高さ45
水量 ・・・121.5リットル
オススメの理由
水槽は幅30センチのものから120センチのものまで様々なサイズがあるが、私は最低でも幅60センチ以上のものをすすめている。
その理由は大きく2つある
- 相当の水量を確保できること(特に同じ60センチ幅でもワイドタイプは水量2倍)
- ろ過装置などの規格に合った機材が充実している
水量を確保することのメリット
水量が多いと、急激な温度変化や水質変化を受けにくくなる。そのため、特に初心者の人はなるべく水量が多く確保できる水槽から始めるほうが安心できる。
また、今後おそらく他にほしい魚が増えたり、コリドラス自体を増やしたくなった場合でも、水槽が大きければ追加ができる。
※入れ過ぎには注意。
さらに、コリドラスは繁殖を楽しむことのできる種が多く、環境が整っていれば水槽の中で自然繁殖する種もいる。
よって、初めから比較的大きな水槽で余裕をもって飼育することはむしろ飼育を楽にしてくれるし、融通もきくのだ。
ちなみに、ワイドは同じ60センチ幅なのに水量が2倍だからレギュラー水槽よりも多くの魚が飼えるよ!笑
私は60ワイドを愛用しています。
底砂の話
底砂は溶岩石のような先が尖ったものはおすすめしない。
自分が使ったことのある底砂を紹介していく。
・田砂
個人的にもっともオススメする砂。水槽に入れてみると意外と色は白っぽい。特にクレームつけるところはないが、砂なので植えなきゃいけない水草とは相性があまりよくないかな。コリドラス以外に日淡魚水槽なんかにも合う万能人気砂。
・ボトムサンド
赤茶色の砂で、水草によく似合う。ただ、かなり軽いので、掃除の際にゴミと一緒に吸い出してしまいやすい。つまり、掃除がやや面倒になる。
・ラプラタサンド
真っ白な砂で、いわゆる化粧砂というやつ。本当に綺麗で、レイアウト欲が掻き立てられる。ただし、長く使っているとだんだん汚れてコケもついてきて、購入時よりもだいぶ汚くなる。ボトムサンドほどじゃないけれどこちらも軽い。
・大磯砂
金魚を飼ったことのある人なら使ったことがあるだろう定番の砂利。後述する底面フィルターとの相性がバツグン。コリドラスで陽性の有茎水草をやりたいのなら、簡単なものはこれで育成可能。使い始めは飼育水のPHを少し上げてしまうので、水合わせや立ち上げ初期は注意。
コリドラスとソイルについて
コリドラスとソイルはインターネットなどで調べても、基本的に相性が悪いと言われている。
しかし、絶対にNGという組み合わせではなく、実際にソイルで飼育している方々もいる。
さらにソイルには水質を酸性に傾けたり、ある程度の水草との両立がしやすくなるという点でメリットがある。
ソイルが相性が悪いと言われる理由として、コリドラスがソイルを削ってすぐソイルをだめにしてしまうっていう意見と、コリドラスのモフモフが見られないという観賞上の理由を挙げている方もいる。
私がコリドラスの底砂にソイルを使用しない理由は2つある。
1つはコリドラスが底砂に埋まっている餌を探そうとして砂に顔を突っ込む(通称モフモフ)可愛らしい姿が見られなくなるという、上記の後者の理由である。
もう1つが、混泳している魚たちの中に弱酸性を好むものと弱アルカリ性を好むものがおり、中性付近の水質で飼育したいためである。
ソイルは絶対的にダメなわけではないが、飼育する魚、ろ過装置、水草などとの相性はもちろん、水槽内でコリドラスのどのような姿を見たいかをよく考えて選択してほしい。
ろ過の話
ろ過装置は底面ろ過、外部ろ過、上部ろ過のいずれでも大丈夫。
自分の好みと財布と相談しながら好きなのを選んでください。
ただ、底面ろ過のときは大磯砂を底砂に選ぶのがオススメ。
上部ろ過はろ過とともにエアレーションを供給できるよ。
なかったからってコリドラスが酸欠なるとかそういうことはないから大丈夫。
あと、気にしない人はいいけれど水が流れる音が気になる人は外部にしたほうがいいかもしれないね。
自分は外部フィルター+エアレーションしてる。
エアレーションは水面の油膜をとるためにしてるよ。
細かいことは省くけれど3つともろ過力は似たり寄ったりだね。
価格傾向と音のうるささを最後に書いておく。
価格・・・ 外部 > 上部 > 底面
音 ・・・ 上部 > 底面 > 外部
餌の話
結論から言うと、コリドラス用として売られている餌ならほとんど食べてくれると思う。
ただ、コリドラスの餌は色々あって悩ましいから、自分が与えたものを書き出してみる。
個人的にオススメはひかりクレストのコリタブと、ミニキャットと、冷凍赤虫かな。
ひかりクレスト コリドラス・・・ オススメ度 ★★★
通称コリタブ。これをあげてる人が一番多いんじゃないかな?っていうか、コリドラスの餌は迷ったらまずこれで失敗はないと思う。ちなみに我が家もこれを何年も与えている。ただし、この餌はヤマトヌマエビと混泳している場合、1匹で1つ強奪されるので注意。強奪されたコリタブはちょっとかじられたあと適当な場所に捨てられるんだけど、場所が悪いとそのまま食べ残しになるから注意してね。私がヤマトヌマエビとコリドラスの混泳を避けている一番の理由がこれだったり笑 あと、この餌は粒が大きいので、コリドラスが食べやすくなるまで時間がかかる。そして時間が経つと徐々に散らばったりふやけてきて色々な魚が食べやすい大きさになるよ。コリドラス以外にも用途が多くて便利な餌だと思う。
テトラプランクトン・・・ オススメ度 ★★
これカラシン用じゃないの?って思った人もいるだろうけれど、実は細かくてよく沈むのでコリドラスも結構食べてくれる。与え方はプロホースのような透明なパイプを通して底まで沈めてやるだけ。水面を揺らしたりするとすぐ沈むし、何より細かくてコリドラスが食べやすそうなんだよね。
ひかりクレスト ディスカス・・・ オススメ度 ★★
ディスカス用の餌だけど、コリドラスもよく食べてくれるってネットで調べるとよく出てくる。自分の経験では、この餌はいきなりは食べてくれなくて多少慣らす必要があった。多分個体差があるのだと思う。結局、ひかりクレストのコリタブの方が我が家ではウケたのであげなくなっちゃったけれど、粒が小さめだし、食べてくれるなら十分選択肢になる餌じゃないかな。
ひかりクレスト ミニキャット・・・ オススメ度 ★★★
コリタブと並んで個人的にかなりオススメしたい餌。粒が小さくてすぐふやけてくれてコリドラスたちの食いつきも良い。小型の肉食ナマズ用の餌だけど、かなり重宝してる。我が家ではこのミニキャットと上記のコリタブを両方あげるのが日課になっている。コリドラスの他にも、肉食傾向があるトランスルーセント グラスキャットあたりも喜んで食べるし、Maxサイズくらいになったブラックネオンテトラのようなカラシンにも食いつきが良い。
ひかりクレスト プレコ・・・ オススメ度 ★
草食傾向が強いプレコ向けの餌。我が家のコリドラス水槽にはオトシンが混泳していて、そのために時折コリタブと一緒に小さく砕いた欠片を混ぜて入れている。コリドラスが食べているのを見るけれど、「コリドラスのためだけに」わざわざ買う必要はないかな。
ひかりFD ビタミン糸ミミズ・・・ オススメ度 ★★
私も定期的に与えている乾燥イトミミズ。かなり細くて小さいので食べやすそうではあるが、如何せんとにかく散らばる。あと工夫しなければ絶対に沈まない。食いつきは個体差があり、良く食べる個体と見向きもしない個体に分かれる。ちょっと取り扱うのに工夫を要する餌だけど、色々な餌を食べて色々なものを食べてもらいたい自分としてはたまに上げる分には許容範囲。もぐもぐバスケットという、この手の餌を沈める小道具がホームセンターなどに売っているので、与えるならこれに入れて与えてね。
キョーリン クリーン赤虫・・・ オススメ度 ★★★
王道の冷凍餌。天然餌のせいか食いつきはバツグンで、水を汚す速度もマッハ。与えすぎると水が汚れるしコリドラスが飽きるので注意。週に1~2回与えるくらいがちょうど良いと思う。私の与えでは、一度真水で解凍してからピンセットであげている。また、あげるタイミングは水換えの前日にするようにしている。この餌を与えたあと、目に見えて水が汚れたりするわけじゃないけれど、なんかタイミング的に良いかなーって笑
コリドラスを飼ってる人って最初は結構餌で悩む人が多いのかな?
私もコリドラスをまだ飼育し始めて間もない頃は色々買っては色々試したものだ笑
だってコリドラスって餌を食べてる気がしないんだよね笑
まず食べる速度自体が遅いし、エラからなんか吐き出してるし・・・。
でも大丈夫、ちゃんと食べてるから。
食べてなきゃとっくに餓死してるでしょ笑
餌はコリドラス用として売られてるのならまず大丈夫。
※我が家のお魚にあげている餌の全解説を簡単にているのでよかったら下記も参考にどうぞ↓
水草とレイアウトの話
やっぱり、綺麗な熱帯魚を飼ったからには、草や木も色々入れて、綺麗にレイアウトしたい。
しかし、コリドラスは水草水槽とは少々相性が悪いって言われてるよ。
いくつか理由があるらしいんだけど
以上の理由から、ガッチガチの水草水槽とはコリドラスは相性が良くないと言われている。
ただ、水草を抜くなどはあくまで可能性であって、ソイルを敷いて水草水槽でコリドラスを飼育している人はいる。
置くだけで完成?するレイアウト
コリドラスをやりたいけれど水草もやりたいって人にオススメのレイアウト方法がある。
それは置くだけ陰性水草レイアウトというものだ。
これは簡単な話で、流木や石に陰性の水草をビニタイや木綿糸で活着させて、それを置くだけでレイアウトすることだ。
これは少し前の私の底物水槽のレイアウト。
これは一本の流木にミクロソリウムを活着させているだけの、一点ものだ。
このレイアウトだと底床は砂だろうが何でも良いし、CO2やら強い光やらもいらないし、掃除をするときはその木や石をただ持ち上げるだけでいい。
コリドラスを専用水槽で飼ってたりする人は結構こういうレイアウトしている人が多いので、調べてみてね!
混泳の話
コリドラスはとても穏和な魚で、他の魚に危害を加えることがまずないため、混泳向きと言われる。
何でも食べて魚の食べ残しも処理してくれることから「水槽の掃除屋」として販売されていたり・・・。
だが、果たしてそれは本当だろうか。
ここでは、私はコリドラスの底物専用水槽を立ち上げることを強く薦める。
※ここで言う専用水槽・・・コリドラスのみorその他大人しいナマズやドジョウなど、同じ底生生活をする種類同士の混泳水槽。
コリドラスは確かに穏和だが、穏和すぎるくらいだと私は思う。
さらに、餌を食べるのが非常に遅く、餌取りに関しては非常に弱い存在だ。
つまり、しっかり長生きさせたいのであれば、コリドラスは混泳相手を選ぶ魚であることを分かってほしい。
そこで、コリドラスと相性の良い魚たちを自分の経験からまとめてみた。
コリドラスと混泳相性が良い魚紹介
コリドラスとの相性の良い魚の条件は
ことだと思う。
では、私が実際に飼育して1年以上無問題に混泳できた魚たちを紹介していく
8センチ前後にまで成長するナマズの仲間。コリドラスよりも大きくはなるが性格が非常に大人しく、むしろ餌取りではコリドラスにビビる一面も。コリドラスと生活圏はかぶるがお互い干渉せずうまくやっていける。餌を基本的に丸のみしようとするため、コリタブはそのままでは食べられない。コリタブと一緒にミニキャットを撒くと、これもコリドラスの餌になって一緒に食べてくれる。
ニューギニアレインボー・・・オススメ度 ★★★
4~5センチほどのレインボーフィッシュの仲間。婚姻色を出したオスは特に美しい。見た目の通り口が非常に細く、コリドラスの摂餌を邪魔しない。混泳させると、コリタブがふやけて粉末になったところを必死に食べている。綺麗、大人しい、丈夫と三拍子揃った有力者だが、中性~弱アルカリ性の水を好むので、ソイルとは相性が悪い。そもそもソイルでコリドラスも相性悪いし、底を田砂などにしてコリドラスを飼育すればあまり関係ないのでそのまま混泳できるだろう。
アジアロックシュリンプ・・・オススメ度 ★★
ヤマトヌマエビよりもちょっと大きくなるくらいのエビ。アフリカンロックシュリンプという種類もいるが、あちらはかなり大きくなるので注意。非常に大人しく、混泳水槽では主にコリドラスたちと混ざってバラけたコリタブやミニキャットを食べていると思われる。このエビ、大食漢のくせに餌をとるのがとてつもなく遅いため、非常に餓死しやすい。コリドラスと混泳していても常に餓死の危険はあるので、ロックシュリンプをタンクメイトにするのならば、彼の様子もコリドラス以上に観察してほしいところだ。
写真はオトシンクルス。主に水槽に発生した藻類を食べる。アクアリウム界ではコケとり生体として非常に有名だが、こちらもロックシュリンプ同様餓死しやすい。コリドラスにコリタブをあげていると餌付くことがあり、これに成功すれば長期飼育が可能となる。大人しく、コケを食べてくれるのでタンクメイトにはもってこいだが、いかにうまくコリタブに餌付かせられるかが長期飼育の鍵になる。
エクエスペンシル・・・オススメ度 ★★★
上層を泳ぐペンシルフィッシュの一種。大人しく、あまり底に降りて来ないため、コリドラスと棲み分けができる。飼育するならば、コリドラスにはコリタブを、ペンシルにはメディフィッシュなどの細かい餌を与えれば良い。上層を泳ぐ魚は他にハチェットもいて、そちらもおすすめなので好みで選んでほしい。ただし、上層を泳ぐ魚は飛び出し事故が特に多いので、蓋や隙間には必ず対策をすること。また、ペンシルフィッシュはいくつか種類がいるが、同種間でかなり争う種類もいるので、よく調べてから購入した方が良い。
ピグミーグラミー・・・オススメ度 ★★★
小型のグラミーで、4センチほど。大人しく、水中をホバリングするかわった泳ぎ方が見ていて楽しい魚。コリドラスとの相性も良く、ミニキャットやコリタブを一緒に食べているところをよく見る。他にはゴールデン ハニードワーフグラミーも人気だが、より小さく安全そうなピグミーグラミーを私は同居させている。
ミナミヌマエビ・・・オススメ度 ★★★
3~4センチほどの小さなヌマエビで、日本にも多く生息している。コケとり能力があるが、あまり強くない。捕食者がいない水槽に入れておけば勝手に繁殖をするのが魅力で、水槽に散らばった餌の残りから水草に付着した藻類まで、色々なものを食べる。コリドラスと混泳可能なエビの中でもっとも相性が良いエビと言えるだろう。
ボララス ブリジッタエ・・・オススメ度 ★★
写真がなくて申し訳ない。ブリジッタエは大きくなっても3センチほどのかなり小さな魚だ。飼いこむと体が真っ赤に染まり、非常に美しい。コリドラスは赤系がほとんどいないので、赤い魚はそれだけで強烈なアクセントになってくれること間違いなしだ。また、赤系の魚といえば、自分は飼育経験はないがディープレッドホタルテトラあたりも相性が良いらしいので、選択肢の一つとしていかがだろうか。ただ、ブリジッタエ含め、体の大きさも口も非常に小さいので、コリドラス以外のタンクメイトが他にいれば、それらとの相性をも慎重に考える必要がある。
最後に
コリドラスはきちんと飼えば他のカラシンなどよりも長生きしてくれる魚である。
また、種類によっては水槽内での繁殖も楽しむことができる。
コリドラスを単に「掃除屋」として認識していると、この魚の美しさや面白さを体験することなく死なせてしまうだろう。
当記事を読んだ方に少しでもためになる情報を発信できていたら光栄である。
そして願わくば、コリドラスの沼にハマる人や興味を持ってくれる人が増えてほしいと思っている。
では、今日はここまで!