サンゴとはどのような生き物か? その生態とは?
青一色の海を彩り、豊かな海の生態系の維持に多大な貢献をしているサンゴ。
サンゴ礁の面積は地球の約0.1%と言われているが、そこには9万種以上の生物が生息する。
今回は、そんな海の熱帯雨林と呼ばれるサンゴという生き物について、簡単に解説していこうと思う。
目次
サンゴとは何か
サンゴは、クラゲやイソギンチャクの仲間(刺胞動物という)であり、植物ではなく動物に分類される。
また、サンゴは浅い海に棲む造礁サンゴと、そうでない深い海に棲む非造礁サンゴに分類される。
私たちが沖縄などに観光で見に行ったりするのは造礁サンゴになる。
そして今回は主にこの造礁サンゴについて話していく。
サンゴとサンゴ礁
造礁サンゴは「石」を作り出すことができる。
この石は実は石灰でできていて、サンゴの骨格になる。
そして、サンゴはこの石でできた骨格を土台にして覆いかぶさるように生息している。
骨格の形は枝状であったり、テーブル型であったり、まるでキャベツの葉状だったりと環境によってさまざまな形になる。
骨格はサンゴと共にどんどん大きくなり、骨格の上に骨格が重なり、やがては1つの大きな群体が出来上がる。
こうして大きくなった群体はサンゴ礁という地形となる。
つまりサンゴが大きくなって群となり、サンゴ礁という地形になるのだ。
サンゴの正体と褐虫藻
サンゴを拡大して見ると、このような体になっている。
実は、サンゴはポリプと呼ばれるものの集合体である。
ポリプはイソギンチャクのような形をしている。
特定非営利活動法人 美ら海振興会さんより引用。サンゴについてもっと知りたい|5分でわかるサンゴ・サンゴ礁講座
サンゴは動物でありながら光合成をする面白い生き物だ。
しかし、光合成は実はサンゴ自身の働きではなく、上記図の褐虫藻によるものである。
サンゴは体の中に褐虫藻という藻類(植物)を共生させており、この褐虫藻が光合成を行い、それによって作られた栄養をサンゴに供給している。
一方でサンゴは褐虫藻に住処を提供し、外敵から身を守ってあげている。
このように、互いが利益を与え合って共に生活していることを共生という。
ちなみに、サンゴ自身の色は無色であり、色彩豊かなサンゴの色も褐虫藻の色素が作り出している。
サンゴが浅い海に棲む理由も、この褐虫藻が光合成をするためである。
海が深いと海底まで光が届かなくなるから、浅い海にいるんだよ!
ポリプが開いたサンゴ。サンゴはポリプが分裂(無性生殖)することで繁殖していく。