種の保存法とは? 希少生物は飼育できる?
希少生物の保護といったら種の保存法。
生物が好きな人は聞かれたときにいつでも内容を簡単に説明できるようにしておこう。
特定外来法とセットでぜひ覚えておきたい法律だ。
目次
種の保存法
正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」。
文字通り、絶滅危惧種を保存するための国内法だ。
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより、生物の多様性を確保し、国民の豊かな生活の確保に寄与することを最終的な目的としている。
その対象は?
種の保存法の対象となる生物は、人為的な原因でレッドリストに掲載された種である。
そういった生物たちを「希少野生動植物種」として定義し、対象としている。
ここで気を付けたいのは、あくまで人間のせいで絶滅の危機にある生物たちが対象であり、自然淘汰によって絶滅する生物たちを対象するものではないことだ。
つまり、レッドリストに載る=種の保存法の対象ってわけではないんだね。
そして、種の保存法は国外の生物にも及ぶ。
種の保存法では、国内の生物に関しては上記のように人為的な原因につきレッドリストに掲載された種を対象とし、さらにワシントン条約で保護の指定となっている国外の生物も対象としているからだ。
国内の生物→人間が原因でレッドリストに掲載された種。
国外の生物→ワシントン条約で保護の対象となっている種。
「日本国内に生息していない希少生物ならばこっそり輸入して色々やりたい放題だぜ!」ってのはできないってことだね。
何が規制される?
具体的には捕獲、譲渡(貸し借りも含む)、販売、が禁止され、輸出入も規制される。
販売に関しては、販売目的に広告を出した地点でアウトになる。
また、規制されているのは生体のみではなく、はく製や卵、毛皮やその他加工品にまで及ぶ。
希少生物は飼育できる?
※我が家の超希少生物。
捕獲や譲渡、販売は禁止って言ってたけど飼育はどうなの?
実は法律で規制されている生物とは言っても、特別な要件を満たすと飼育が可能。
例えば
- 規制される前から飼育していた個体で、自然環境研究センターに登録(届出)をした個体
- その登録した個体同士から生まれた個体
などである。
ちなみに、たとえ登録を受けて飼育が可能になっても、きちんと登録のルールを守って生物の管理をしないと罰金になったりする。
無論、無許可での飼育や密輸は罰則になるので注意していただきたい。
終わりに
今回は種の保存法について簡単に解説した。
最近は生物保護についての記事が連続しているが、次くらいでいったん締めくくろうと思う。
同系統の記事を3~4回やってから別の系統の記事を書くことにしているので、そろそろ別のことを書きたいなあと。
次回はワシントン条約について書きます!
参考文献、サイト
環境省リーフレット(https://www.env.go.jp/nature/kisho/pamphlet/ForThoseWhoWantToKeepOrSellRareWildlife.pdf)