素数ゼミって何? 数学ができるセミがいるって知ってた?
「素数ゼミ」とか「周期ゼミ」という名前のセミを聞いたことはあるだろうか。
あの夏になると鳴く生き物のセミね!
私はこの名前を聞いたとき、初めはどこかの大学の数学関係のゼミかと思ったほどだ。
では、今回はそんな不思議な名前のセミについて綴る。
目次
セミは長寿な生き物
まず前提として、セミって虫の中では長寿な生き物なんだよね。
セミは1週間しか生きられないというのは有名なデタラメ。
あくまで成虫(大人)になってからの寿命が短いだけ。
しかも成虫になってから1か月くらい生きる。
セミは幼虫(子供)のまま数年間を土の中で過ごしてから成虫になる。
だから、数年生きられるセミは虫の中では長寿な生き物なのだ。
数学ができる(?)セミ
セミの種類で、アメリカで13年または17年ごとに一度発生するセミがいる。
その周期が13年のものは特に13年ゼミ、17年のものは17年ゼミと呼び分けられている。
この素数ゼミは、同じ場所でかつ同じ日に一斉に幼虫が成虫になり、大量発生する。
13と17は素数なので、それにちなんで素数ゼミと呼ばれている。
また前述のように、セミは幼虫のまま数年間を土の中で過ごす。
その年数は種によってまちまちなので、例を挙げておこう。
私たちがよく知るセミと比べると、素数ゼミの13とか17という期間はかなり長い。
素数ゼミは10年以上の歳月を土の中で過ごしているのだ。
※素数・・・1とその数自身しか約数を持たない数字。例えば割り算をするとき、上記の13は1と13でしか割り切れない。
なぜ同時に大量発生するか
本などを読み漁ったが、これに関しては諸説ありで、有力なのが満腹戦略だそうだ。
これは簡単には、
天敵が食べきれないくらい大量に発生しまくる
という単純明快にして強力な戦略だ。
あまりに大量に発生するためか、セミは天敵が来ても逃げない。
"大量に発生する"という、やれるだけのことをやったからだというのだろうか。
2013年にアメリカの東部で発生した17年周期のセミはなんと70億匹にのぼったらしい・・・!
動画があったのでどうぞ。
※おびただしい数のセミが出てくるので閲覧注意
なぜ13や17という中途半端な周期か
これも諸説ありだが、一つ紹介しておこう。
13年ごとに大量発生するグループのセミと、17年ごとに大量発生するグループのセミの大量発生時期が重なるのは221年ごとになる。(最小公倍数)
どうやら、
この数字が生き残るためとしてはちょうど良い
そうなのだ。
例えば極端な例を言うと、2年ごとに大量発生するグループのセミと、3年ごとに大量発生するセミがいた場合、大量発生がかぶるのが6年ごとになる。
大量発生が頻繁に重なると、異なる周期のセミ同士が出会う可能性が高くなり、その結果交雑が起こる。
交雑が起こると、中間種が生まれる。(例えば2年周期と3年周期の交雑により、1年周期のセミが生まれるなど)
だが、このように異なる周期のセミが沢山生まれ、大量発生の周期がバラバラになったらどうなるだろう?
そう、上記の満腹戦略がとれないのだ。
こうして、頻繁な交雑により、短い周期のセミは淘汰され、結局生き残ったのが13年と17年の周期のセミたちなのだ。
ただ、いくら交雑するのが221年ごといっても、結局221年ごとには交雑しちゃうんじゃないの?っていう考えもある。
確かに、研究によると13年ゼミと17年ゼミの交雑は起こっているそうだ。
しかし、13と17という周期はずれず、これらの種は10万年以上生き残ってきている。
おそらくまだ我々が発見しいない遺伝子などもあるのだろう。
実はセミは研究があまり進んでいなくて、謎が多い生物だという。
最後に
夏ももう終わり、私の近くではセミの鳴き声は全くしなくなってしまった・・・。
私は夏になると始まるセミたちの大合唱が好きなので、非常に寂しい。
個人的に冬はどうも好きになれない季節。
何より寒いことと、生き物があまり見られなること、そして視界から青々とした草花が消えて、心がどんよりとしてしまうから。
冬になるとそういった草花を見られるのは自宅の水槽の中だけになります笑
同時に、私のようなメンタル持ちにとっては、これからの日照時間が減少する季節はかなり厳しい。
例えばうつ病などは日照時間とも関係しているらしいからね。
冬になっても自然や生き物とは接していきたいし、楽しめる冬の過ごし方を模索していきたい!
以上、夏の終わりにセミに思いを馳せた今日でした。