生きるものに魅せられて

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自然、生物の知識や飼育法などを分かりやすく発信するブログ

葉緑体を持たない生物の光合成とは?

光合成といえば植物、葉緑体といえば植物・・・と、光合成は植物の専売特許と思われがちだ。

しかし、植物以外にも光合成をする生物がいて、しかも彼らは葉緑体を持っていない。

さらに驚くべきことに、中には光すら使わずに有機物を作れる生物までいる。

今回は、様々な生き物の有機物合成について見ていこう。

 

 ↓光合成については以下の記事をご参考あれ。

inarikue.hatenablog.com

 

目次

 

 

光合成と細菌

光合成とは光を利用して生きるために必要なエネルギーを作り出すことだ。

光合成をする生物の最も身近な例は植物であるが、光合成は植物以外にも葉緑体を持たない一部の細菌類がおこなうことが知られている

光合成をすることができる生物が必ずしも葉緑体を持っているとは限らないのである。

 

植物以外で光合成ができる生物とは、光合成細菌シアノバクテリアという2種類の細菌だ。

両者はどちらも光合成ができ、両者の違いはそれぞれが持つ光合成色素の違いによって区分されている。

※両者は総称です。

 

光合成細菌

バクテリオクロロフィル光合成色素として持ち、光合成をおこなう細菌類。

緑色硫黄細菌紅色硫黄細菌などがいる。

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https://ja.wikipedia.org/より。写真は緑色硫黄細菌

 

光合成細菌は、水がある場所であればどこにでも存在する可能性があるよ!

 

光合成細菌は光を吸収し、硫化水素二酸化炭素を材料に光合成をおこなう。

その結果、硫黄有機ができる。

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シアノバクテリア

クロロフィルa光合成色素として持つ細菌類。ユレモネンジュモがいる。

 

シアノバクテリアはかなり古い時代から存在していて、現在でも当時の姿をストロマトライトという形で観測することができるよ!

 

シアノバクテリアは光を吸収し、二酸化炭素を材料に光合成をし、酸素有機を生成する。

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ここで、シアノバクテリアによる光合成で注目すべき点は、材料として水を使っていることだ。

なぜ注目すべきなのかというと、水を使うことで最終的に有機物と一緒に酸素が合成されるからである。

 

上の光合成細菌と比べてみると、光合成細菌は水じゃなくて硫化水素を使っていたから、最終的に酸素ではなく硫黄が一緒に合成されているね!

 

実は、シアノバクテリアはまだ地球上に酸素が十分に存在しない大昔の海で誕生し、上記の光合成をおこなって海に豊富な酸素をもたらした

そして酸素が豊富になったことで、様々な生命が誕生するきっかけにもなった。

 

あと、シアノバクテリア植物の葉緑体のもとになった生物と言われていて、共生説っていう説が唱えられているよ!

 

光を利用しない有機物合成

自力で栄養(有機物)を作ることができる生物独立栄養生物という。

植物も独立栄養生物の一種であり、光合成をすることによって栄養を得ている。

しかし、生物の中には光すら必要とせずに、有機物を合成できる独立栄養生物がいる。

 

それらは化学合成細菌と呼ばれる生物たちである。

彼らがおこなう代謝は光を使わない。

そのため光合成とは呼ばず、化学合成と呼ばれる。

 

化学合成細菌

化学合成細菌は、化学エネルギーを利用して無機物から有機物を合成する生物たちだ。

彼らは化学物質を体内に取り込み、酸素と反応させ、その際に生じるエネルギーを利用している。

 

例えば硫黄細菌

硫化水素からエネルギーを得ている。

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他には、亜硝酸硝酸菌も化学合成細菌の一種だ。

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化学合成細菌たちは化学合成によって化学エネルギーを作った後、カルビン・ベンソン回路という、有機物合成のための回路に送り、有機物を作っている。

 

コラム:化学合成細菌の誕生

化学合成細菌は大昔の海で誕生した原始的な生物でもある。

彼らは光がなくとも有機物を作れるので、光がまだ地球に届かなかった頃の海や、そもそも光が届かない海底などで生きていくことができた

現在、光が届かないような海底でも生態系が存在するのは彼らのおかげでもあるのだ。

 

ところで、海の底には熱水噴出孔という、地下を流れるマグマによって熱せられた水が吹き出している場所がある。

熱水は何百度もある高温で、しかも周りは光が届かない海底という極限の環境である。

 

しかし、この熱水噴出孔付近にも生物が存在し、例えばハオリムシは、巨大なミミズのような、ややグロテスクな姿をした生き物だ。

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(Photo: Charles Fisher) - Microfauna–Macrofauna Interaction in the Seafloor: Lessons from the Tubeworm. Boetius A PLoS Biology Vol. 3/3/2005, e102 

http://doi:10.1371/journal.pbio.0030102

 

別名チューブワームとも呼ばれるこの生き物は、硫黄細菌と共生していることが知られている。

彼らは細菌から有機物をもらい代わりに熱水噴出孔から出た熱水から取り込んだ硫化水素を細菌に与え、極限環境の中を生きている。

 

彼らは光を利用しなくてもエネルギーを作れるからこそ、こうした極限環境を生き抜くことができるんだね!

 

まとめ

 

  • 特にシアノバクテリア光合成にて酸素を使うことで、地球の生命史に大きな影響を与えた

 

  • 自力で栄養を作ることができる生物を独立栄養生物と呼ぶ

 

  • 光を使わずに、化学エネルギーを利用して有機物を生成することを化学合成という

 

  • 化学合成は硫黄細菌亜硝酸などの化学合成細菌がおこなっている

 

  • 化学合成細菌は生きるために光を必要としないなどの性質から、海底のような極限環境でも生きることができる

 

 

光合成とは何か? 光の強さや温度、二酸化炭素との関係は?

動物は生きるためのエネルギーを得るために、餌を求めて活動する。

しかし植物は動物と違い、動き回ることができない。

だから植物は自力でエネルギーを作る仕組みを生み出した。

それが光合成であり、今回はそんな植物の光合成の話。

 

 

目次

 

光合成とは?

光合成とは、光エネルギーを利用して、無機物から有機を作る代謝の一種

植物の細胞の中にある葉緑体という器官でおこなわれる。

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上図は葉緑体を簡単に描いたもの。blue devilさんによるイラストACからのイラストより。

 

光合成に利用する光エネルギーとは、日光である。

さらに、ここでいう無機物とは、二酸化炭素のこと。

そして光合成によって作られる有機物がグルコース(、炭水化物とも言う)である。

 

光合成の仕組み

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光が当たると、そのエネルギーは植物の葉にある葉緑体にて吸収され、ATPという物質ができる。

光合成に使われる水は根から二酸化炭素は葉の気孔から取り込まれる。

 

そして、合成した ATPを使って化学反応を起こし、有機物(グルコース)を生成する。

 

 ↓代謝やATPに関しては以下の記事で簡単に解説しています。お時間がある方はぜひ!

inarikue.hatenablog.com

 

外的要因

光合成は、外的要因によって効率が上下する。

光合成はただ光さえ当たれば良いというわけではないのだ。

外的要因とは、温度二酸化炭素の濃度である。

 

また、葉の面積あたりの二酸化炭素吸収量光合成速度という。

光合成速度は光合成の効率を表すものである。

 

温度

光合成速度は、弱光下では温度に関係なく一定になる。

しかし、光が強くなると温度による影響を受け、温度が高くなるほど光合成速度が大きくなる

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光合成速度は温度がだいたい30℃で最大になり、それ以上になると光合成速度は急速に低下する。

一般的に、寒冷地に生息する植物は、強光下において光合成速度が最大に達する温度はそれよりも低く、熱帯に生息する植物は高い。

 

二酸化炭素の濃度

光合成速度は二酸化炭素の濃度が高くなると大きくなる

しかし、これにも限界があり、濃度がある程度高くなると一定になる。

 

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光合成速度が一定になる二酸化炭素濃度は、強光下という条件では弱光下条件よりも高くなる

十分な光があって初めて二酸化炭素を効率的に吸収できるのである

 

 葉緑体と色素

植物が光合成をおこなえるのは、葉緑体のおかげだ。

葉緑体植物の細胞においてのみ見られる細胞内器官で、特に葉の表側の細胞に集中して分布している。

 

植物が光を利用できるのは、この葉緑体が光を吸収することができるからなのである。 

さらに詳しく言うと、葉緑体光合成色素と呼ばれる色素を持ち、この色素によって光が吸収されるのである。

 

この光合成色素にはいくつかの種類があり、色素によって吸収できる光が異なる

また、植物の種類によって持っている色素が異なっている

 

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光合成と光の色(波長)

一口に"光"と言っても、光には様々な波長があり、色がある

かなり大雑把に簡単に言うと、太陽光は、赤とか青とか紫とか、様々な色の光が集まってできている

※光の波長については、生物学からは少々外れるので、今回は詳しく解説しません。

 

植物にとって光の色(波長)は重要である。

なぜならば、先ほど述べたように光合成色素の種類によって吸収できる色、反射する色が異なるからだ。

 

そして植物にとってどの色の光が重要なのかを示してくれるのが吸収スペクトルと作用スペクトルだ。

 

吸収スペクトル

まず、吸収スペクトルとは、光合成色素ごとに各色(波長)の光をどれほど吸収するかをまとめたグラフである。

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※かなり簡略化して作成しています。

 

吸収スペクトルを見ると、例えば多くの植物が持つクロロフィルa紫や赤色のところで吸光度が高くなっていることが分かる。

実は、植物の光合成には"光"が必要であるが、特に重要なのが赤色の光紫色の光なのだ。

 

一方で、植物に縁がありそうな緑色はあまり吸収されていない

吸収されない光は反射される。

 

反射された光は、そのまま私たちの目に届くことになるよ!植物が緑色をしているのは、緑色の光を吸収せずに反射しているからなんだよ!

 

作用スペクトル

今度は作用スペクトルを見てみよう。 

作用スペクトルとは、各波長の光に対して光合成がどれほど効率的におこなわれるかをまとめたグラフである。

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やはり、紫色と赤色のところで光合成効率が高くなっている

吸収スペクトルと作用スペクトルのグラフから、光合成色素にもよるが、植物は紫と赤色を吸収しやすく、それらの光を利用すると光合成を効率的に行えることが分かる。

 

クロロフィルやカロテンに吸収される紫や赤の光は、作用スペクトルにおいて、高い光合成効率を示しているね!

 

※緑色の光について

吸収スペクトルを見ると、植物は緑色の光をよく反射し、あまり吸収しません。

ですが、これは植物が光合成をするにあたって緑色の光を全く利用できないことを意味しているわけではありません

作用スペクトルを見てみると、紫や赤と比べると確かに緑色のところで光合成効率は低いです。

ただ、あくまで効率が下がるだけで光合成が不可能なわけではありません。

緑色光下では植物は全く育たないというわけではないのです。

 

光の強さと植物の成長

基本的に植物は光合成をして栄養を作り、それを糧に成長していく。

ならば光を浴びさせまくれば植物はどこまでも育つのかというと、そうではなく、やはりバランスが大事だ。

 

以下は、植物の光合成速度と、光の強さの関係を示したグラフである。

 

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図のように、基本的には植物は光が強くなると、その強さに比例するように光合成をより活発におこなう

しかし、光の強さがある点に達すると、それ以上は光合成速度(二酸化炭素の吸収量)が一定になる

この境目を飽和点という。

 

また、グラフの補償点とは、光合成による二酸化炭素の吸収量と、植物自身の呼吸による二酸化炭素の排出の量が釣り合っている点である。

 

だから補償点以下の光合成速度がマイナスの領域では、植物は「吐き出す二酸化炭素>吸収する二酸化炭素となっている。

 

ちなみに、光の強さが補償点を下回ると、光合成によって生み出すエネルギーよりも呼吸で消費するエネルギーが多くなるので、やがてその植物は枯死する。

 

光を弱くしていくと、光合成速度が落ちて二酸化炭素の吸収量も落ちるよね。すると、植物が普段行なっている呼吸による二酸化炭素の排出量が勝ってくるんだよ。

 

陽性植物と陰性植物

植物の成長には多すぎず、少なすぎずの量の光が必要であることは確かだ。

けれども、その植物にとってどれくらいの量の光がちょうど良いのかは種類によって異なる。

 

そこで、成長に必要な光の量に応じ、植物は陽性植物陰生植物の2つに大分できる。

 

陽性植物は主に強光下でないと生育できない植物たちである。

タンポポ、チューリプ、イネなど、よく目にする植物たちが多い。

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それに対し、陰生植物は比較的弱い光でも生育が可能である。

コケやシダ植物などが例である。

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では、今度は陽性植物と陰性植物の光合成速度を比べてみよう。 

以下は、先ほどのグラフを用い、陽性植物と陰生植物の光合成速度を比較したものである。

 

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ご覧の通り、強光下では陽性植物のほうが光合成速度が早く、飽和点も高い

しかし、光が弱くなっていくと、陰生植物が光合成速度で勝るようになる。

陽性植物が強光下でよく成長し、陰性植物が弱光下でも成長できる理由がここにある。

 

では、陽性植物と陰生植物でなぜこのような差が出るのだろうか。

実は、陽性植物の葉は陰生植物の葉よりも少し厚めにできておりその厚さの分葉の細胞数が多いのである。

 

細胞数が多いということは葉緑体の数も多いということであり、このため陽性植物は沢山の光を浴びて光合成をする必要があるし、強い光を浴びても高い光合成速度を出すことができるのである。

 

陽性植物だから弱い、陰生植物だから強いとか、そういうことじゃないんだね!

 

まとめ

  • 光合成とは、光エネルギーを利用して、無機物から有機物を作る代謝の一種である

 

 

  • 葉緑体光合成色素を持ち、この色素を持つことで日光の吸収を可能としている

 

  • どの光合成色素を持つかは植物の種類によって異なる

 

  • 吸収スペクトル作用スペクトルを用いれば、日光の中のどの色(波長)の光が植物の生育に欠かせないかが分かる

 

  • 植物は強い光を当てても光合成の効率は一定までしか上がらない

 

  • 植物は、成長に強光を必要とする陽性植物と、弱光下でも生育可能な陰性植物に分けることができる

 

 

花はなぜ咲くのか? 植物の基礎知識を復習!

本記事では植物に関する基礎知識をおさらいしていこう。

今回は被子植物裸子植物といった、私たちが義務教育下の理科で習った懐かしい内容も登場する。

ちょっとノスタルジックな気持ちになりながらゆる~く学んでいこう。

 

目次

 

植物の構造と役割

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花はなぜ咲くのだろう?

それは一言で言えば生殖のためだ。

もっと具体的に言うと、花粉を運搬してくれる昆虫たちに見つけてもらうため

 

では葉はどのような役割をしているか?

茎や根はどうだろう?

 

花の基本構造を下図に示した。

※絵のモデルはアブラナです。

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花はめしべ、おしべ、花弁(花びら)、がくの4つの部位から構成されている。

これら4つが全て揃った花を完全花、何かが欠けている花を不完全花とも呼んだりする。

 

おしべの先端には"やく"と呼ばれる花粉が詰まった袋がある。

やくは別名で花粉袋とも呼ばれる。

また、おしべから出た花粉がめしべの先端(柱頭という)に付くこと受粉という。

 

がくはひらひらとした花びらを支える役割をしている。

この花びらがひらひらしているのも虫をおびき寄せるためだ。

 

植物は葉を様々な方向に広げることによって太陽光に当たる面積をかせいでいる

そして葉には葉脈が通っている。

葉脈は動物でいうと血管のようなもの。

 

葉のには葉緑体を含む細胞が多くあり、一方で葉のには気孔が多く存在する。

葉緑体光合成の場であり、気孔は気体(特に水蒸気)の出入り口である。

 

以下の絵は葉の断面を細胞が見えるレベルまでに拡大したものである。

上側が葉の表、下側が裏になる。 

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太陽光は基本的に葉の表に当たるため、葉緑体を含む細胞の多くは葉の表に集中している。

他方で、葉の裏に気孔が多いのは、葉の表では雨水などがたまってしまう可能性があるためである。

 

植物は根から水を吸い、気孔から水蒸気のかたちで大気中に捨てている

このように、気孔から水蒸気が出ていくことを蒸散という。

蒸散をして水を常に捨て続けないと、植物は根から新しい水を吸うことができない。

 

網状脈と平行脈

植物の葉は葉脈の通り方によって2種類に分けることができる。

葉脈が網目状に広がっている網状脈タイプと、葉に対して平行に葉脈が通る平行脈タイプの2つである。

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茎は、根とともに植物の体を支え、かつ物を運ぶ管の役割をしている。

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茎の切ってその断面を見てみると、内側に水が通る管(道管)、外側に栄養分が通る管(師管)が束になって並んでいる。

この道管と師管の束を維管束と呼び、維管束は上図のように規則的に並んでいるか、あるいはバラバラに散在しているかの2パターンある。

 

道管は水が通るから、例えば水を赤く着色すると道管も赤く染まるよ!学校の理科の授業で実験した記憶がある人も多いかも!

 

根は植物の体を支え、土から水分や養分を吸収する役割を担う。

根はその伸び方によって大きく2種類に分けられる。

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一般にひげ根と呼ばれる根は、放射状に伸びる。

他方で、主根という太い根を伸ばし、その側面から側根という根を伸ばすパターンもある。

 

根毛

植物の根を拡大してよ〜く見てみると、何やらのようなものが根から生えている。

これを根毛と呼び、根の表面積をかせいでより多くの水分や栄養分を吸収することに一役買っている

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根毛は目に見えないくらい細く細かいのが普通だ。

しかし、大根のように例外的に目に見えるくらい立派な根毛を生やす植物もいる。

※根毛の写真は記事に貼り付けできるものが手に入りませんでした。すみません。

 

ちなみに根毛はあまりに細かいため、植物を土から引き抜いたりすると結構土に取り残されてしまう。

 

そして当然根毛が減ると水分や養分の吸収効率が落ちる。

植え換えをして植物が弱ることがあるのはこのせいである。

 

被子植物裸子植物

種子を作って子孫を残す植物を種子植物といい、種子植物はさらに被子植物裸子植物に分かれる。

ここでは被子植物裸子植物について述べる。

 

まず、先ほどのアブラナのように胚珠が子房に包まれている植物を被子植物という。

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子房は将来果実になる部分で、胚珠は将来種子になる部分である。

 

一方で、子房を持たず胚珠がむき出しの植物を裸子植という。

裸子植物の例はマツやスギ、イチョウやソテツなど。

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写真はクロマツで、マツは裸子植物の代表種。先端の赤いものが雌花、その下に沢山ついている白っぽいのを雄花という。雌花に胚珠がくっついている。

 

現在、地球上の植物の多数派を占めているのは被子植物であり、実は裸子植物は押され気味。

 

裸子植物は数を減らしていて、例えば街路樹でよく見かけるイチョウ絶滅危惧種だよ!

 

裸子植物が数を減らしている理由の1つには、被子植物との生存競争で遅れをとっていることが挙げられる。

例えば生殖に関して言えば、花粉の運び方が両者では異なる

 

被子植物は花粉を運ぶ手段として主に昆虫を利用し、一方で裸子植物は主に花粉をに乗せて飛ばすという方法をとるものが多い。

 

昆虫と協力してより確実に花粉を運ぶのと、風に任せてワンチャン・・・では、前者のほうが効率的である。

 

また、裸子植物は胚珠がむき出しになっているため、環境の変化を種子がもろに受けてしまい、結果被子植物に比べて環境の変化に弱いという点もある。

 

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写真は裸子植物の一種であるソテツ

 

双子葉類と単子葉類

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被子植物子葉の数によって双子葉類単子葉類に分けられる。

子葉とは、植物が芽を出してから最初に現れる葉のこと。

単子葉類は文字通り子葉が1枚で、双子葉類は2枚である。

 

この単子葉類と双子葉類は根の張り方や葉脈、維管束の並びに傾向がある。

まず双子葉類は根が主根と側根、葉脈は網状脈で、維管束は規則正しく並ぶ種類が多い。

それに対し単子葉類は、根はひげ根、葉脈は平行脈、維管束は散在している傾向がある。

 

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ところで、なぜ双子葉類と単子葉類にこのように異なった傾向があるのかは分かっていない

 

子葉の枚数で何が変わるのか、葉脈が平行に入っている場合と網状に入っている場合でどのようなメリットがあるのか、維管束の並び方はなぜ違うのか、はっきりとした根拠は不明である。

 

ちなみに、単子葉類は双子葉類から分岐、進化したものと言われているよ!

 

まとめ

  • 花は、めしべ、おしべ、花弁、がくから構成され、植物にとっての生殖器である

 

  • 花は花粉を運んでくれる昆虫などをおびき寄せる役割もしている

 

  • 葉は光合成が主におこなわれる場である

 

  • 茎は植物の体を支え、さらに水や養分が通る管の役割をしている

 

  • 根は茎とともに植物の体を支え、水や養分を吸収する役割をもつ 

 

  • 胚珠が子房に包まれている植物を被子植物子房を持たず胚珠がむき出しの植物を裸子植物という

 

  • 被子植物昆虫などに花粉を運ばせ、裸子植物に大量の花粉をのせて運んでもらうものが多い

 

  • 被子植物子葉の枚数によって双子葉類単子葉類に分類できる

 

 

久々の水槽記録 2019.07.27 大磯水草水槽レポート

今回は久々の(4ヶ月ぶりくらいに)水槽観察記録を書こうと思う。

舞台は大磯を敷いた45センチ水槽の"自称"水草水槽で、生体の話をメインにしていく。

水草水槽と言いながら生体ばかり語ることに関しては突っ込まずにご覧ください。

 

 ↓前回の記録は以下の記事になっています。

inarikue.hatenablog.com

 

目次

 

 

現在の水景

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インディカがめちゃくちゃ繁茂しています。

トリミングを一切せずに様子見してたら水面を覆い尽くした挙句、何と水上葉まで出してきました。

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水槽から見事突き出してますね・・・。

※さすがに後でばっさりトリミングしました。

 

生体たち

グリーンネオンが前に全滅してからは魚を導入していなかったのですが、6月の頭頃に新たにカージナルを導入しています。

グリーンネオンと迷ったのですが、まだ飼育したことがないカージナルを結局選びました。

バルーン・ラミレジィ

我が家の水槽の中で一番強い子です笑

普段は他の魚を全く追い回したりしないのですが、実は給餌になると途端に凶暴化します笑

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バルーンタイプのラミレジィって本当に愛くるしいですよね。

金魚でいうリュウキンみたいなコロコロしたフォルムが好きです。

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普通タイプのラミレジィも非常に魅力的だけど、バルーンやっぱりいいよね。

愛くるしいし美しい・・・!

生活が落ち着いたらペア飼育して繁殖にチャレンジしたいと考えています。

カージナルテトラ

青系の魚が欲しいと思い、先月数匹導入しました。

カージナルは熱帯魚の中でも王道の中の王道ともいえる魚ですが、実は私はこれが初飼育です。

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カージナルの美しさはショップなどで見てきたので、前々から興味がありました。

ずっと飼いたかったのですが、我が家には美しいグリーンネオンたちがいましたから笑

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やっぱり見ていると、赤色に染まった部分の面積がグリーンネオンよりもかなり広いですね。

ちなみに、最大の大きさもグリーンネオンより一回り大きくなります。

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美しい・・・!

これは長生きさせたい・・・!

 

レッドテトラ

レッドテトラは別名ファイヤーテトラとも呼ばれる人気種。

私個人にとってもお気に入りの魚です。

小さくて可愛らしいんですよね笑

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レッドテトラは赤系の熱帯魚としてよく名前が挙がる魚だけど、赤っていうよりは夕焼けみたいな橙色って感じがする。

私がうまく発色させることができていないだけなのかもしれないけど。

 

ただ、この魚よりももっと赤っぽい感じの魚が欲しければ、チェリーバルブ(オスに限る)やボララス・ブリジッタエあたりを調べてみると良いと思う。

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あとこの魚、他のカラシンよりもサイズが一回り小さくて(グリーンネオンくらい)、かなり細かい餌を与えないと口に入らないことがしばしばあるね。

こういうこともあって、我が家ではネオプロスとメディフィッシュを主食にしています。

 

口小さいし大人しいし、今度コリドラスたちと混泳させてみようかな?

 

ゴールデンプリステラ

ゴールデンプリステラは元はプリステラっていう体色が透明な魚の改良種。

アルビノってことでいいんだろうか・・・?

我が家では去年の12月から飼育中。

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"ゴールデン"とつくけれど、実際には黄色とか白っぽい感じかな~。

別の魚でゴールデンテトラっていうがいるんだけど、彼らはギラギラの光沢があってまた格別の美しさがあったりするので気になる方はググってくだされ。

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ゴールデンプリステラは尾ヒレの先が赤色に発色することも特徴で、ちょっと何だか独特の美しさがある。

 

半年ほど飼育して見ての感想だが・・・

飼育方法は他のカラシンに準ずるし、特別体が小さな魚でもないので非常に飼いやすいね。

彼らも長生きさせたい!

 

グローライトテトラ

我が家の中で一番の古参にして、私が初めて飼育した熱帯魚。

2015年の秋頃から飼育している。

本当に長生きしてくれているが、ポツポツと死んでいく個体が出てきた。

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餌は食べるんだけどあまり太らないし、動きもあまり俊敏じゃなくなってきたし、体色もちょっとずつ薄れてきた。

老衰なのかなあ・・・。

 

彼らは私に熱帯魚の美しさというか、アクアの面白さ・楽しさを再認識させてくれた魚たちだから、他の飼育魚よりもちょっと特別だ。

最後の最後まで大事に飼育したい。

 

ブラックネオンテトラ

その名の通り、黒いネオンテトラ

"ネオンテトラ"って名前につくけど、実は別種だっけか・・・。

体に黒いラインが入る、いわゆるちょっと渋めな熱帯魚である。

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我が家のブラックネオンたちも3年ほど飼育しているので、古参組。

体色も渋くて大人しいし、性格も大人しいので非常に飼いやすい魚。

けれども、それ故書くことが全然ない子たちです笑

 

彼らは今日も静かに大人しく暮らしています。

 

サイアミーズ・フライングフォックス

この水槽のメンバーの中で、一番成長が目で見て分かるのが彼ら笑

かなり大きくなりました!

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これは導入した去年の12月の写真です。

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色白で痩せていて最初は調子が悪そうだったので心配でしたが、すくすく育ってくれました。

 

ちなみにサイアミーズは2匹います。

ですが、2匹が一緒に写真に写ることはありません・・・(理由は後述)

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すくすく成長した2匹なのですが、1匹がもう1匹を追い回すようになってしまいました。

大きさに差はほとんどないのですが、どうやら力関係?性格の差?があるようです。

 

サイアミーズが成長と共に気性が荒くなるのは有名ですが、当然個体差があります。

また、その水槽の環境(魚の密度や混泳相手)によっても変わってきます。

我が家の場合、1匹だけがやたらとやんちゃになってしまったみたいです。

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1匹はとても気が強く、稀に他のカラシンにもちょっかいを出します。

大きな事故は起こっていないのですが、給餌のときは特に暴れます。

 

ただ、そんなやんちゃでもラミレジィには絶対手を出しません。

むしろ給餌の時にどんなに暴れてもラミレジィには追い払われます。

さすがシクリッド、ラミレジィ気強いなあって思います笑

 

※当水槽にはこれら魚の他にミナミヌマエビヤマトヌマエビ、ヒメタニシがコケ取り作業員として従事していますが、彼らはあまり写真を撮っていないので今回は書きません。

次回以降、水草をメインに語るときに一緒に報告したいと思います。

 

最後に~近況報告と予定

ここまで読んでくれてありがとう!

特に、毎日下手な記事でもちらほら読んでくれている方、読者登録をしてくれている方本当にありがとう!

 

最後に、ここ数か月の近況報告だけして終わります。

 

 

夏がやって来ました。

我が家では7月くらいになってから、古参の魚たちの中でポツポツと落ちる子たちが出てきました。

全て同時期に購入した子たちで、2016年の3月頃だったと記憶しています。

 

落ちていくのはほとんどが小型カラシンです。

小型カラシンといえど、飼育当初よりだいぶ大きくなり 、老衰してるかのような個体もちらほらいました。(今も何匹かいます)

寿命なのでしょうか。

 

7月に入って急に蒸し暑くなり、それに伴い水温も少々上がっています。

夏は一番魚を死なせてしまう時期で、アクアリストにとっては気が抜けない季節です。

 

死んでいった子たちが本当に寿命なのか、私の管理が行き届かなかった部分が大きいのか、真実は分かりません。

これからはもっと気を引き締めて飼育していきたいですね。

 

 

ところで話がガラッと変わるのですが、もしかしたら来年大きな引っ越しをするかもしれません。

・・・というかしたいんですが笑

 

そこで、引っ越しをするまでは水槽の個数や規模、飼育生物の種類をなるべく増やさないようにしたいと思います。

それに伴い、ブログの記事も飼育観察記録の記事よりも知識系の記事が中心になると思います。

 

多分魚については引っ越しをするまではもう新しい固体を導入することはないです。

植物は分かりません笑

 

無事引っ越しが終わり、ライフスタイルの今後の方針が決まったら、そのときは本気で水槽部屋を作るために行動しようと思います。

水槽部屋を作るのは私の人生における一つの夢ですから笑

繁殖に挑戦したい魚も沢山いますし、考えるだけでワクワクしますね!

 

引っ越しに関係なく、生物の飼育もブログも細く長く続けていくつもりです。

最近ちょっと更新ペースが不定期で落ちてしまいましたが、失踪したりはしないので今後もどうかよろしくお願いします!

 

月10記事は書きたい・・・(願望)

 

 

血糖値とは? 糖尿病って?

今回は、私たちの健康状態の指標の1つとなる血糖値のお話。

血糖値とは何か、どういう仕組みで血糖値が一定に保たれているのか、血糖値に異常があったらどうなるのか 、血糖値について色々学んでいこう。

 

※今回の記事は以下の記事もあわせて参考にしていただくと理解が深まると思います。時間がある方はぜひ見ていってください。 

inarikue.hatenablog.com

 

inarikue.hatenablog.com

 

目次

 

 

血糖値とは?

血糖値とは、簡単に言えば血液中に含まれるグルコース(糖)の量である。

正常な人であれば血液100mlあたり100mgくらい。

グルコースブドウ糖とも呼ばれます。

 

この値は様々な要因で多少変動し、その大きな要因の一つが食事である。

血糖値は食前であればやや低くなったり、逆に食後であればやや高くなるのだ。

 

食べ物を通して糖を摂取するから、当然食後は血糖値が上がるよ!

 

血糖値とホルモン

血糖値は様々な要因で変動するが、高すぎても低すぎても体が不調になってしまう。

そのため、血糖値はなるべく一定に保たれる必要がある。

 

では具体的に血糖値を一定に保つためにどこが何をしているのかというと、まず血液中の糖の量の変化を間脳の視床下部が認識する。

それから間脳は体の各部にはたらきかけ、ホルモンを分泌させることで血糖値をコントロールしている。

血糖値を上昇させる仕組み

体の血糖値が大きく下がってしまったとき、体は何とかして血糖値を上げようとする。

そうした事態で活躍するのが、アドレナリン、グルカゴン、成長ホルモン、チロキシン、糖質コルチコイドの5種類のホルモンだ。

 

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アドレナリンとグルカゴン

アドレナリングルカゴンは共に神経を介して指令が伝わり、作られるホルモンである。

血糖値の低下を感知した間脳の視床下部は、交感神経を使って副腎膵臓にホルモンを作るよう指令を出す。

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交感神経を通して指令が伝わると、副腎の副腎髄質という場所ではアドレナリンが分泌される。

一方、膵臓では、A細胞という細胞からグルカゴンが分泌される。

 

アドレナリンとグルカゴンは分泌されると血流に乗って肝臓へ行く。

これらのホルモンにより、肝臓で蓄えられているグリコーゲンをグルコースに変える化学反応が促進され、血糖値が上昇する。

 

副腎は腎臓の上にちょこんと乗ったような形であるよ!

 

成長ホルモンとチロキシン

成長ホルモンペプチドホルモンの一種であり、チロキシンアミノ酸ホルモンの一種である。

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間脳は神経を介して指令を出すだけではなく、下垂体に対して成長ホルモン放出ホルモンを分泌し、このホルモンによって刺激を受けた下垂体により、成長ホルモンが分泌される。

※下垂体は前葉と後葉という領域からなっていて、前葉からホルモンが出ます。

 

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さらに間脳は、同時に甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンも分泌し、刺激を受けた下垂体は甲状腺刺激ホルモンも分泌する。

 

甲状腺刺激ホルモンはその名の通り甲状腺を刺激し、結果甲状腺からはチロキシンが分泌される。

甲状腺は喉を通る気管に覆いかぶさるようにしてくっついています。

 

なんだか○○ホルモン刺激ホルモンとかややこしいね・・・

 

糖質コルチコイド

糖質コルチコイドステロイドホルモンの一種で、副腎皮質にて作られる。

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間脳は副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを分泌し、これを下垂体が受け取る。

下垂体はさらに副腎皮質刺激ホルモンを出し、このホルモンにより刺激を受けた副腎皮質が糖質コルチコイドを作る。

 

糖質コルチコイドは血糖値が低下してしまった際のホルモンの最終手段とも呼ばれる。


それは、糖質コルチコイドはタンパク質を分解して糖に変える反応を促進するホルモンだからだ。

タンパク質は筋肉のもとであり、この反応が続くと筋肉がだんだん減ってしまうのだ。

 

 

血糖値を低下させる仕組み

血糖値を上げる場合とは逆に、血糖値を下げなければならないときはインスリンというホルモンが大活躍する。

インスリン血糖値を下げることのできる唯一のホルモンである。

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インスリンはグルカゴン同様、膵臓で作られる。

膵臓B細胞という細胞である。

 

同じ膵臓でもグルカゴンが作られるのはA細胞にてだったね!

 

インスリンが分泌されると、全身の細胞がグルコースを細胞内へ取り込もうとし、さらに肝臓ではグリコーゲンの合成が促進される。

 

血糖値に異常があると?

血糖値は高すぎても低すぎてもだめである。

今回は一度は聞いたことがあるor経験したことがある有名な病気や症状について書いていく。

低血糖

私自身も低血糖になって苦しんだことが何度かあるが、血液中の血糖値が低すぎる状態になると、自律神経に異常が出るため、手足の震えや動悸、発汗、非常に強い空腹感などの症状が出る

 

空腹が長時間続いたときや、激しい運動を長時間行ってその後に何も摂取しなかった場合などに起こる

 

普段は昼食を食べてるのに突然抜いたりするとなったりするね。不規則な食事には注意しよう。

 

糖尿病

血糖値が高いまま戻らなくなり、腎臓で再吸収されずに尿として排出されてしまう。

これを糖尿病といい、I型II型がある。

 

腎臓は、体にとって不要なものは尿として体外に排出させ、一方で体に必要な物質は体内に戻している(再吸収)

 

糖は体のエネルギーになる物質なので、体から尿として排出してはいけないものである。

 

しかし腎臓の再吸収にも限界があり、血液中の糖の濃度が高すぎると、必要な物質であっても尿として排出してしまう。

 

糖尿病を発症すると、やたら疲労感を感じるようになり、喉が非常にかわきやすくなる

エネルギーとなる糖を排出してしまっているから疲れを感じるし、高い濃度の糖を尿で排出しようとして水分を欲し、喉がかわくのである。

 

I型糖尿病

I型の糖尿病は、インスリンが一切分泌されなくなってしまうことで起こる。

患者は若年層に多く、その原因はウイルス感染である。

インスリンを体内で作れなくなってしまうので、インスリン注射などが欠かせなくなってしまう。

 

インスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島B細胞がウイルスに感染すると、免疫機能によって細胞がウイルスと一緒に排除されてしまう。

つまり、I型糖尿病は自己免疫病の一種でもあるのだ。

 

※自己免疫病については以下で簡単に解説しています。

inarikue.hatenablog.com

 

II型糖尿病

II型では、インスリン自体は作られるものの、そのインスリンが上手く機能していないタイプの糖尿病である。

 

例えば壊れたインスリンを作っていたり、正常なインスリンを作っていても、それを受容する細胞の受容体の形がおかしいため、作用しない場合などがある。

 

糖尿病患者の9割以上がこのII型糖尿病で、生活習慣が原因だったり、遺伝的要因で発症する。

 

コラム:なぜ血糖値を下げるホルモンはたった1つ?

 

どうして血糖値を上げるホルモンは5つもあるのに、下げるホルモンはインスリンしかないの?

 

血糖値に対するセーフティーネットは、下げることよりも上げることに偏っている。

それは生物にとって、血糖値が過多である状態よりも不足している状態のほうが重大な問題であるからだ。

 

血糖値の不足している状態とは、言い換えれば飢餓状態でもある。

人類がまだ野生で生活していたころは食べ物は必ずしも豊富ではなかったし、飢餓への対策が体に備わっていなければならなかった。

 

しかし、現代では飢餓の問題は以前よりも少なくなり、飲食で容易にしかも沢山の糖分を摂取できるようになって、終いには摂取しすぎる者まで出てきた

すると、今度は手薄であった血糖値を下げるための体の機能が問題になってくる。

 

食生活の変化によって、本来は血糖値を上げるために厳重な対策をしていた体であったが、血糖値を下げることに対して手薄であることが逆に問題になってしまったのである。

 

まとめ

  • 血糖値とは、簡単に言えば血液中に含まれるグルコース(糖)の量である

 

  • 血糖値は様々な要因で変動するが、私たちの体はホルモンを分泌することによって一定に保っている

 

  • 血糖値を上昇させるホルモンはアドレナリングルカゴンなど5種類あるが、低下させるホルモンは1種類のみである

 

  • 中でもインスリンは血糖値を低下させる唯一のホルモンである

 

  • 血糖値は高すぎても低すぎても体に不調が起こり、低血糖糖尿病などがある

 

 

ホルモンとは一体何か? どのような種類があるか?

私たちの体では、血圧や血糖値などの体内環境の変化を間脳が認識している。

そして変化を認識した間脳は、自律神経にはたらきかけたり、ホルモンを使って体内環境を一定に保とうとする。

今回は生きていくために欠かせない物質であるホルモンについて学んでいこう。

 

間脳については自律神経ともに簡単に書いています。

よかったら以下も参考にどうぞ!

inarikue.hatenablog.com

 

 

目次

 

ホルモンとは

体内の環境を一定に保つ中枢を担う間脳は、体内環境の変化を認識すると、自律神経に指令を出すだけではなく、それ以外の手段としてホルモンという物質を用いる。

 

ホルモンは体内環境の調整をしたり、体の成熟に寄与している重要な物質である。

あるときは血糖値を下げたり(インスリン)、またあるときは性機能を発達させたり(テストステロンやエストロゲン)、生きるために欠かせないものとなっている。

 

また、ホルモンはホルモン産生細胞という特別な細胞で作られ血液中に分泌されて全身に運ばれる

 

このように、物質が血液中など体内で分泌されることを内分泌といい、これに対し体外に分泌されることを外分泌という。

ホルモンは内分泌性の物質であり、体の外に分泌されたりはしない

 

例えばなんかは体の外に分泌されるから、外分泌性の物質だよ!

 

ホルモンの性質

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ホルモンは全身に運ばれるが、そのホルモンを認識できる受容体という部位をもつ細胞にしか作用しない

つまり、ホルモンは特定(目的)の細胞のみにしか効果がない

※目的の細胞を標的細胞といったり、標的器官と呼んだりします。

 

だからホルモンは血液に乗って全身に運ばれる際に、誤った場所に行って誤作動させるようなことは基本的にない。

 

ただ、ホルモンは標的となる細胞や器官に対してはごく微量でも作用する。

ホルモン溶液一滴を25mプールくらいの量の液体で薄めても作用するというのだから驚きだ。

 

ホルモンと内分泌腺

先にホルモンはホルモン産生細胞で作られると述べたが、ではホルモン産生細胞はどこにあるのだろうか。

 

実はホルモン産生細胞は体の中のいくつかの器官に存在する。

例えば脳の下垂体甲状腺膵臓副腎卵巣(精巣)などに存在しており、意外と多くの器官にある。

 

これらのように、ホルモン産生細胞を持ち、ホルモンを作ることができる器官を内分泌器または内分泌腺ともいう。

※ホルモンを分泌する器官でも内分泌腺に含まれない器官もあります。

 

ホルモンは内分泌腺で作られるってよく聞くけど、具体的には甲状腺だとか膵臓とかなんだね!

 

ホルモンの種類

ホルモンはそれ自体が何でてきているかによって大きく3種類に区別できる。

その3つとは、タンパク質でできたペプチドホルモンアミノ酸でできたアミノ酸ホルモン脂質でできたステロイドホルモンである。

 

ペプチドホルモン

ペプチド系のホルモンはタンパク質でできているため、大きさがデカいという特徴がある。

そのため細胞を覆っている細胞膜を通過できず細胞外に受容体を持つ細胞に対して結合して作用する。

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細胞は受容体にてホルモンとの結合を感じとると、内部で学反応を起こし、細胞内のタンパク質のはたらきが活発化するなどの作用が起こる

 

ホルモン自体が直接細胞に何かしているというよりは、ホルモンを感じとった細胞が活発化しているイメージである。

 

この作用は受容体とホルモンが結合した瞬時に起こるため作用の効果が出るスピードが非常に早いというのも一つの特徴である。

 

インスリングルカゴンもペプチドホルモンに分類されてるよ!

 

アミノ酸ホルモン(アミン)

後に述べるステロイドホルモンもそうなのだが、アミノ酸はタンパク質よりも小さいため、アミノ酸ホルモンは細胞膜を通過することができる

細胞膜を通過し、細胞内にある受容体と結合する。

 

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ホルモンと受容体は結合すると複合体となり、細胞の核の中に入り、DNAの転写などを促す

すると、新たなタンパク質合成が促進される。

 

ペプチドホルモンの作用は、すでに細胞内に存在しているタンパク質を活発化させるという作用だったのに対し、こちらは新たなタンパク質を作らせるという作用である。

 

ただし、1から新たなタンパク質を作らなければならないため、作用の効果が出てくるまで少々時間がかかる

 

アミノ酸ホルモンはアミンと呼ぶことも多いです。

 

ステロイドホルモン

ステロイドホルモンは脂質でできたホルモンで、アミノ酸ホルモン同様に細胞膜を通過することができる

 

作用もアミノ酸ホルモンのように、受容体と結合したあとに細胞の核の中に入ってDNAの転写などを促す

 

ステロイドホルモンは一般的に"ステロイド"と呼ばれており、先述のペプチドホルモンなどと比べると名前を聞いたことがある人は多いのではないだろうか。

 

例えばステロイドは用途の一つとして薬剤に調合され、抗炎症薬(炎症を抑える薬)として虫刺され薬やアトピー薬に入っていたりする

 

また、ステロイドの作用を人工的に強化し、それをアスリートが体内に注入してドーピングをするというニュースをよく耳にする。

 

フィードバック

ホルモンは生きていくために欠かせない物質であるが、そんな物質でも出すぎると病気になったり体に異常が生じてしまう。

このような事態を避けるためにも、ホルモンにはフィードバックという機能がある。

 

例えばホルモンの中には、あるホルモンが別のホルモン放出を促し、そのホルモンがまた別のホルモンの放出を促す・・・というものがある。

ここではチロキシンというホルモンを例に説明していこう。

 

まず、チロキシンとは体の血糖値が低下したときに分泌されるホルモンで、血糖値を上昇させるはたらきがある。

※血糖値については後日別記事において解説する予定です。

 

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体の血糖値が低下すると、間脳視床下部がそれを認識し、脳の下垂体の前葉という部分に対し、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンを出す。

前葉はそのホルモンを察知すると、さらに甲状腺刺激ホルモンを放出して甲状腺を刺激する。

そして甲状腺チロキシンというホルモンを放出し、血糖値を上昇させる。

 

しかし面白いことに、このときチロキシンは血糖値を上昇させるだけではなく、間脳視床下部や前葉にも作用して、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンと甲状腺刺激ホルモンの分泌をやめさせるはたらきをするのである。

 

このように、あるホルモンや器官によって最終的に分泌されたホルモンが、元のホルモンや器官に対して抑制的に作用することをフィードバックという。

 

ホルモンにはこうしたフィードバック機能があることで、必要以上に分泌されすぎないようになっているのだ。

※抑制的にはたらくことから、特に負のフィードバックとも呼びます。

 

ホルモンはホルモンでコントロールしているんだね!

 

まとめ

  • ホルモンはホルモン産生細胞という細胞でのみ作られる内分泌性の物質である

 

  • ホルモンは特定の細胞(器官)にしか作用しないが、対象となる細胞に対してはごく微量で作用する

 

  • ホルモンを作ることができる器官を内分泌腺と呼び、内分泌腺はホルモンを作るための特別な細胞(ホルモン産生細胞)を持っている

 

  • ホルモンは化学組成によって3種類に分けられる

 

  • ペプチドホルモンはタンパク質でできており、大きさがデカいため、細胞外で結合する

 

 

  • ホルモンはフィードバックという機能があり、分泌されすぎないようになっている

 

 

 

間脳とは何か? 自律神経はどういう役割をしているのか?

外の気温が変化しようが、塩分をちょっと多く摂りすぎようが、私たちの体内はあらゆる変化に対して一定の状態を保とうとする。

しかし、体内の環境を一定に保つにはその"変化"を認識する必要がある。

では私たちの体は、どのようにして体内環境の変化を感じ取っているのだろうか?

 

 

↓恒常性については以下の記事で簡単に説明しています

inarikue.hatenablog.com

 

 

目次

 

間脳とは何か?

下図は脳の横からの断面を簡易的に描いたものである。

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間脳は文字通り右脳と左脳の間にあり、視床下部視床視床上部の3つの領域から構成されている。

そしてこれからお話する神経の話では、特に重要になってくるのが視床下部である。

 

なぜならば、私たちは体温や体液の濃度の変化を間脳の視床下部という場所で感じ取っているからだ。

 

体温が低下してしまったり、血糖値が高くなってしまった場合など、体内環境に変化が起こると、それをまず間脳が認識する。

 

そして間脳は変化を認識すると自律神経系ホルモン系に働きかけ、体の状態を一定に保つ中枢の役割を担う。

 

自律神経

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私たちの体には無数の神経が通っていて、中でも呼吸や消化、血液の循環などの全身のあらゆる器官をコントロールしている神経をまとめて自律神経(系)と呼ぶ。

自律神経は自分の意思とは関係なくはたらき交感神経副交感神経の2種類がある。

 

それぞれの神経からは神経伝達物質という物質が分泌され、全身のあらゆる器官の機能を促進したり抑制したりする。

 

交感神経

交感神経喧嘩をするとき(何かと闘うとき)や、激しい運動をするときに活性化する神経である。

 

交感神経からはノルアドレナリンアドレナリンといった神経伝達物質が分泌され、主に各器官に対して促進的にはたらく。

 

では、この交感神経が何の役に立つのか。

実は交感神経が上手く働くことで、敵から身を守るために闘ったり、あるいは逃走したりといった行動を有利に行うことができる

 

下図は、交感神経が活性して神経伝達物質が分泌されたときの各器官の反応である。

 

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例えば、森を歩いていてクマに遭遇したときのことを想像してみてほしい。

きっとあなたの心臓の鼓動は早くなり、呼吸は荒くなるだろう。

さらに、瞳孔は大きく開き、鳥肌が立ち(立毛筋の収縮による)、汗も大量にかくかもしれない。

 

これらは全て交感神経が活性化するからこそ起こる反応である。

もし交感神経が働かなければ、目の前に大きなクマがいるにも関わらず、なぜか空腹や眠気を感じたり、トイレに行きたくなったり、別のことに気をとられて的確な行動ができなくなってしまう。

 

※交感神経が活性化されると、膀胱は弛緩することによって柔らかくなり結果尿をため込むことができる量が増えるので尿意を感じにくくなります

また、表に記載されている器官は一部であり、他には例えば唾液腺の活動は抑制されて唾液が出なくなり、喉や口がカラカラに乾いたりします

 

表のように、交感神経は何でもかんでも促進させるわけじゃないよ!特に消化系の運動は抑制されるんだ!

 

副交感神経

副交感神経は、交感神経とは逆に体を安静の状態にしようとするとき、あるいはリラックスしているときに活性化する神経である。

 

副交感神経からはアセチルコリンという神経伝達物質が分泌され、主に各器官に対して抑制的にはたらく。

 

交感神経がオンのスイッチだとすれば、副交感神経はオフのスイッチに近い。

副交感神経が上手くはたらくことで、体がしっかり休養をとることができる

 

下図は、副交感神経が活性して神経伝達物質が分泌されたときの各器官の反応である。

 

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では、さきほどの交感神経の例の続きで、遭遇した野生のクマから上手く逃げ切ったあとのことを考えてみよう。

心臓の鼓動や呼吸は徐々に落ち着きを取り戻してくるだろう。

恐怖が過ぎ去って思わず漏らしてしまうかもしれない。

 

これらは全て副交感神経が活性化するからこそ起こる反応である。

何もしてないのに突然体から汗が出てきたり、心臓の鼓動が早くなったりするのは自律神経(副交感神経)に異常がある可能性が高い。

 

例えば緊張などが和らいで、「安心したら腹が減ってきた」というのもまさに副交感神経が働いている証拠!

 

※上2つの表をまとめてみました

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レーウィの実験

ところで、神経伝達物質はどのようにして各器官に伝わるのだろうか。

これを実験で突き止めた人物がドイツの薬理学者レーウィである。

 

レーウィは生きたカエルの心臓を用い、心臓をホースで2つ繋げた装置を作って実験を行った。

そしてホースで繋げた2つの心臓に、人間の体液に近い濃度に調整されたリンガー液を矢印の一定方向に流したのである。

 

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※図では省略していますが、ちゃんと循環するように2つの心臓は繋がっています。

 

レーウィは各心臓についている交感神経と副交感神経を刺激し、その様子を観察した。

交感神経を刺激すると心臓の拍動は早まり副交感神経の場合はゆっくりになる(抑制される)

 

まず、心臓Aの交感神経または副交感神経を刺激すると、遅れて心臓Bの拍動にも変化があった

 

どういうことかというと、心臓Aの交感神経を刺激すると当然心臓Aの鼓動は早くなったが、遅れて心臓Bの鼓動も早まったのである。

 

今度は逆に、心臓Bのみを刺激してみる。

すると、心臓Bの交感神経または副交感神経を刺激してみると、心臓Bの鼓動は早くなったり遅くなったりの変化はあったものの、心臓Aの鼓動には何ら変化がなかったのである。

 

つまり、この実験の結果より、神経伝達物質リンガー液中(血中)に分泌されて各器官に作用するということが分かったのである。

 

※リンガー液

別名リンゲル液とも言い、生理食塩水の一種として呼ばれたりもします。生物の体液に近い組成に調整された溶液で、生物実験などでよく使用されます。体から取り出した心臓をこの液体に入れると、短時間であるが生かすことができます

 

まとめ

  • 体温や体液の濃度の変化は間脳の視床下部という場所で感じ取られる

 

  • 間脳は自律神経系ホルモン系にはたらきかけ、体の恒常性を維持する中枢を担う

 

 

  • 自律神経には交感神経副交感神経の2種類がある

 

  • 交感神経は、喧嘩をするとき、運動をするときなどに優位になり、主に各器官の活動を促進させる方向にはたらく

 

  • 副交感神経は、体を安静にしようとするとき、休眠するときなどに優位になり、主に各器官の活動を抑制させる方向にはたらく

 

  • レーウィは神経伝達物質血中に分泌されて各器官に作用することを実験で突き止めた