生物の学名ってどうやって決まる? なぜラテン語を使うの?
生物の分類って属とか科とか門とか色々あってわけが分からない!って人は多いと思う。
ましてや生物なんて勉強したことのない人(自分も含めて)ならなおさらだ。
では、今日は生物の分類について簡単に解説していく。
目次
分類の基準は何種類?
生物の分類段階は現在8つあり、下にいくにつれて細かい分類になっていく。
例えば人間を含む有名な猿類を分類してみると以下のようになる。
この中でもドメインは最近(1990年)登場した、新しい分類である。
ドメインが登場する1990年までは「界」が最上位の分類名だったんだね。
生物の学名ってどうやって決まる?
生物って何位も細かく分類されていてややこしいけれど、では生物の学名って誰がどうやって決めているんだろうか。
実は生物の名前は上記の分類の下位2つである「属」と「種」を基準に考えられている。
そして、属と種によって命名する方法を二名法という。
二名法か・・・。難しそうだけどどんなルールなの?
二名法は属名と種名をラテン語で列記する方法である。
では、例としてヒマワリを挙げてみよう。
ヒマワリの属名と種名は
属 ヒマワリ属
種 ヒマワリ
ヒマワリの属名はラテン語でHelianthusといい、種名はラテン語でannuusと言う。
したがって、ヒマワリの学名はHelianthus annuusと呼ぶのだ。
属名と種名をそれぞれラテン語にして並べるだけなんてかなり単純だね。
もう1つ、今度は先に例示したヒトの属名と種名を見てみよう。
属 ヒト属
種 ヒト種
「ヒト」はラテン語ではHomo(ホモ)という。
じゃあヒトの学名はHomo Homoってこと?
なんだか突っ込みたくなる学名だね?
確かに、普通に考えればHomo Homoであるが、ヒトの場合、種名はラテン語でSapiens(サピエンス)といい、後者を使う。
属と種は必ずしも同じ単語を並べるとは限らないのだ。
あっ!じゃあHomo Sapiensか!ホモサピエンスって聞いたことあるね!
※ちなみにSapiensは「賢い」っていう意味らしい。
なぜ学名にラテン語を使うの?
私自身も常々思っていたのだが、なぜラテン語を学名に使うのだろうか?
ラテン語って何だか難しいし、使うならせめて英語じゃない?
学名にラテン語を採用する理由はラテン語が「死語」だからである。
言い換えると、ラテン語はもうほとんど誰にも使われていない言語だからである。
誰にも使われていない言語ということは、これ以上変化しない言語でもある。
例えば、日本語の古文の授業で「おかし」という言葉を聞いたことがあるだろう。
これは昔は「深みがある」という意味で褒め言葉として使われてきた。
しかし、現代では「おかしい」という言葉になり、「奇妙だ」「変だ」という意味で使われる。
つまり、現在進行形で使われ続ける言語は意味や使い方が変わってしまう可能性があるのだ。
学名は生き物の特徴を表すものでもあるから、簡単に変わっちゃったら困るね。
だから、意味や用法が変わる可能性が低いラテン語を使うことが都合がよいのだ。
まとめ
- 生物の分類名は上から順にドメイン、界、門、綱、目、科、属、種である。
- 生物の学名は属名と種名をラテン語で列記することで決まる。
- 学名にラテン語が使われる理由は、ラテン語が誰にも使われないために意味や用法が変わりにくいからである。
終わりに
今回の記事は自分で書いていても非常に勉強になった内容だった。
何よりも、ラテン語が死語ということは知らなかったので驚いた。
それと同時に、大学で英文科を専攻し、言語学の基礎をも学習しながらこのことを知らなかった勉強不足を反省した。
次回は生物の分類について、もう少しだけ詳しく解説しようと思う。
あまり専門的になりすぎないように、雑学チックな要素も残しながら記事を書いていきたい。
今日はここまで!
参考文献