イチゴとはどのような植物か? 野生で自生しているの?
いちごは世界各地に自生し、野菜か果物かで論争があったり、種によっては5000年を超える栽培の歴史がある。
当記事ではそんないちごにまつわるうんちくを、特に生態や特性に注目しながら綴っていこう。
目次
世界各地に自生するバラ科の植物
いちごはバラ科に属する植物で、他にバラ科の仲間にはりんごやなし、さくらんぼがある。
日本を含め、世界各地に自生しており、野生のものは「野イチゴ」、「ワイルドストロベリー」などと呼ばれる。
現在、「いちご」と言えばオランダで栽培されるオランダイチゴを指す。
そして、このオランダイチゴは北アメリカ原産の野生種と、南アメリカ原産の野生種を掛け合わせて生まれたものだ。
非常に生命力の強い植物
いちごは多年草であり、放置していても同じ株から何度も結実することができる。
また、特に野生のいちごは病害虫に対して抜群の抵抗力を持ち、積極的にランナー(細い茎)を伸ばして増えまくる。
野イチゴ
品種にもよるが、1株から少なくとも4~5本はランナーを出すことができ、多い種では100本近くのランナーを出すという、とてつもない繁殖力だ。
そしてその子株がまた何十本ものランナーを伸ばす・・・凄まじいね。
表面のツブツブが果実!
いちごの表面にはゴマのような、小さなツブツブが沢山ついている。
実はこれがいちごの果実本体であり、種子でもある。
※正確に言えばツブツブの中にさらに小さな種が入っている。
では私たちが食べる赤い部分は何なのかっていうと、赤い部分は偽果(ぎか)と呼ばれ、本当の果実であるツブツブが育つためのベッドである。
イチゴの栽培
日本では、栃木県の「とちおとめ」などが人気のいちご。
そんないちごの旬は冬から春にかけてである。
それ以外の季節で、例えば初夏の店頭に並んでいるものなどは大部分が輸入物だ。
流通物はビニールハウスで
流通しているものはほとんどがビニールハウスでの栽培によって育てられている。
保温と雨除けをおこないやすいからだね。
また、受粉をしっかりと行わないと、果実の大きさにばらつきが出てしまう。
徹底的な受粉のため、通常の生物による受粉に加え、ミツバチを放して受粉させる方法がとられている。
缶詰は流通しない
お菓子などに用途が多いいちごは、日本では缶詰製造されていない。
缶詰製造する過程で必須の加熱作業をおこなうと、いちごがジャムのように変質してしまうためだ。
※海外では販売があるらしい
だったら缶詰じゃなくて最初からジャムでいいよね笑
わざと寒い中で育てる
一般的な旬である冬から春にかけて店頭に並ぶ種類のいちごは、寒さ(冬)を経験しないと苗の成長や開花ができないという特性がある。
冬、特にクリスマスシーズンである12月にはいちごの需要が特に高まるため、12月に店頭に並ぶためには11月には収穫をしなければならない。
つまり、夏あたりに寒さを経験をさせなていなければ間に合わない。
実際には、夏に苗を冷蔵庫に入れたり、高原などの涼しい場所でいちごを育てている。
同時に遮光(光をさえぎること)などもやって、無理やり冬を経験させているよ!
意外にも繊細さを要求される果物
いちごの栽培と収穫は全て手作業でおこわなれている。
それは、いちごは収穫時の色をしっかり判断しなければならず、実を傷つけないような繊細な動きが求められるからだ。
いちごの収穫作業はいちご農家にとってかなりの労働的負担になっているらしく、人手不足もあり、ビニールハウスへのロボットの導入などが急がれている。
最近では薬効面での研究も
近年では、いちごは薬効性が特に注目されている。
いちごにはエラグ酸、エラジタンニンなどをはじめとする成分が含まれ
- シミ予防や美白効果
- 抗発がん作用
- 強力なアンチエイジング
などが期待されているからだ。
そして、上記の成分は白実品種が高い含有量を示す傾向にある。
※エラグ酸、エラジタンニン・・・野菜や果物に含まれ、抗がん性や美肌効果があるのではないかと、健康上の有効性が注目研究されている。
普通の赤いいちごの突然変異によってできた白いちご。
改良品種なども出回っている。
交配種よりも野生の原産種?
2007年の研究データでは、交配種のいちごと野生のいちごのビタミンCや抗酸化酵素の含有量を比較した。
すると交配種であるオランダ栽培種などよりも、野生のバージニア種のいちごがひときわ高かった。
この種は他に、肺がん細胞の増殖を阻害する効果がある可能性も指摘されており、今後の研究の進歩に期待したいところだ。
上のほうで、野生のいちごは病害虫などに対して抜群の抵抗力があると言ってたね。
※抗酸化酵素・・・抗酸化作用を持つ酵素で、抗酸化作用とは体内に発生する活性酸素を抑制する作用である。
終わりに
今回は初めて植物について記事を書いた。
今までは魚寄りだったから、一応生物ブログなので色々な生き物を書いていきたい。
何を書くかは、本当に気まぐれなんだけど笑
あといちごは、私は酸味の強いタイプは苦手なので、甘みが強い品種をぜひ食べてみたいね。
参考文献、サイト
森昭彦/著 『身近な野菜の奇妙な話』 SB Creative
いちごの原産地(げんさんち)や歴史(れきし)についておしえてください。:農林水産省