藍藻とは何か? 水槽ではただの厄介者?
アクアリウムをやっている方なら一度は何らかのコケに見舞われて苦労した経験があるだろう。
水草水槽経験の浅い私は現在糸のような髭のようなコケに四苦八苦している。
では、コケということで、今回はシアノバクテリア(藍藻)の話。
目次
水槽発生する厄介者
藍藻はその名の通り藍色をした藻の仲間で、別名シアノバクテリアとも呼ばれる。
水槽で魚などを飼育した経験がある人であれば、見たことがあるかもしれない。
青緑色のようなのりみたいなのが水草や砂利に付着し、何より臭いも強烈だ。
水槽に発生したら真っ先に飼い主によって駆逐される存在である。
植物?細菌?
藍藻は、「藻類」と呼ばれるが、植物よりも細菌に近い生物である。
この生物は変わっている。
まず、植物には一般的にあるはずの葉緑体がない。
そう考えると植物ではあるが、この生物は原核細胞生物でもある。
※通常植物は葉緑体という器官を細胞内に持ち、その中に葉緑素をもっていて光合成をおこなう。
簡単に説明すると原核細胞生物とは文字通り原核細胞を持つ生物である。
原核細胞とは、細胞の中に核がないのが特徴だ。
この体の構造(原核細胞)をもつのは主に細菌類である。
つまり、藍藻は植物と細菌類の2つの特徴をあわせもつ不思議な生物なのだ。
確かに葉緑素は持っているけれど、細胞の中身を見ると細菌に近いというのが見方なのだそうだ。
だから、藍藻はシアノバクテリアっていう細菌的な呼び方もされているんだね。
※原核細胞と真核細胞は簡単に過去記事で解説してあります。
水槽では厄介者でも・・・
アクアリウムでは厄介者のシアノバクテリアだが、自然界では窒素循環における非常に重要な役割を担っている。
ところで、植物の成長に必須の3元素は窒素、リン、カリウムの3つである。
中でも窒素は大気中の成分の約8割を占めるが、ほとんどの生物は窒素をそのままでは利用できない。
窒素が不足しやすい物質であることや、植物を育成する際に窒素を直接吹きかけるのはなく、肥料というかたちで補ってあげなければならない理由もここにある。
しかし、そのままでは利用できない窒素を、生物が利用できる物質に変換できる特別な生物たちがいる。
もちろん、シアノバクテリアもその一種だ。
シアノバクテリアやその他の特別な生物たちによって、窒素は植物や我々の体内で利用できる形になっているのだ。
自然界ではかなり重要な役割を担っているんだね!
終わりに
一見何の特徴もないように見える生物が、実はスーパー生物だったという話はよくある。
私たちアクアリストにとって藍藻は確かに厄介者であるが、では藍藻について詳しく調べる人はどれほどいるだろうか。
シアノバクテリアが持つ窒素を有効なものに変換する能力を応用できないか、人類は研究を続けている。
もし今度水槽を見るときには魚だけではなく、発生するコケ類についても思いを馳せてみるのも良いかもしれない。
とはいえ、私はまだ藍藻を実際にこの目で見たことはまだないのだが笑