バイオームとは何か?
たとえ高層ビル群が立ち並ぶ首都圏にいたとしても、ふと周りを見渡してみると、雑草、街路樹、鳥、虫など、私たちの周りには多くの生物たちで溢れていることに気付く。
今回は、バイオームについてざっと解説しよう。
目次
バイオームとは?
バイオームとは、ある地域に生息する全ての生物の集団(まとまり)のことをいう。
バイーム=植物+動物と考えても良いだろう。
高校で生物をやっていた人ならばなつかしい言葉かもしれない。
私たちの周りに生えている草や花はなぜそこにあるのか?
虫や鳥はたまたまそこにいるのか?
実は、生物がある地域に生息しているのにはきちんとした理由がある。
自然豊かな地球には様々なバイオームが存在する。
例えば、砂漠と熱帯雨林ではバイオームが全く異なる。
バイオームが変われば、棲んでいる動物も、生えている植物も(そもそも生えていないこともある)まるで違う。
バイオームを決定するもの
バイオームに影響を与える要因は温度や光、大気や土壌など、様々である。
しかし、バイオームを決める特に大きな要因となるのは気温と降水量である。
バイオームは"生物の集団"のことだから、気温とか降水量はバイオームではなくて、あくまでバイオームに"影響を与える環境的な要因"だよ。
バイオームの中心になるのは植物である
なぜ植物が中心になるのかというと、植物は動けないからである。
その地域にはその地域の気候(気温と降水量)があって、それによって動けない植物が固定される。
そして植物の周りに草食の生物が集まり、さらにそれらを餌にする動物たちも集まるのだ。
ちなみに、植物を中心にバイオームが展開されるというのはあくまで陸上での話。
これが水中になると話が変わってくる。
水の中に木は生えないし、陸上とは状況がちょっと違うよね。
水中の場合、バイオームを決めるのは植物プランクトンである。
バイオームの種類
バイオームは植物から始まるが、一口に植物と言っても草もあれば木もあるし、コケだってある。
その地域の気候(気温と降水量)に合った植物が繁栄し、そこに虫や動物が集まる。
そのため、バイオームには様々な種類があるが、大きく3つに分けることができる。
森林
年間降水量が1000mm以上で、かつ年平均気温が-5℃以上という気象条件で見られるバイオーム。
最低限温度もあり降水量が多いため、草木が生い茂り、特に背の高い樹木ができる。
そして森林のバイオームはさらに細かく分類できる。
熱帯多雨林、亜熱帯多雨林、照葉樹林、夏緑樹林、針葉樹林、硬葉樹林、雨緑樹林の7つである。
草原
温帯で、年間降水量200~1000mm以下という条件下で形成されるバイオーム。
植物は普通に生えるが、森林を形成するほどの降水量がなく、そのため中心となる植物は草や低木。
草原はさらにサバンナとステップに分類できる。
サバンナも草原の一種。草原にぽつんと背の低い木が生える。
荒原
温度や降水量が極端であるため、植物があまり生えないバイオーム。
生物が生きていくには過酷なバイオームでもあり、植物は生えたとしてもまばらに点在するだけ。
荒原には主に砂漠とツンドラがある。
砂漠は温帯や熱帯でかつ年間降水量が200mm以下という気候で形成され、ツンドラは冷帯でかつ年間降水量が1000mm以下という気候で形成される。
まとめ
- ある地域の全ての生物(植物+動物)のまとまりをバイオームという
- バイオームはその地域の温度と降水量によって植物が固定されることで決まる
- バイオームは地域によって様々だが、大きく分けると3つに分類できる
- その3つとは森林、草原、荒原である
次回は各バイオームについて詳しく解説していきます!