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ちょっと癖があるドジョウの仲間! パキスタンローチの飼育と紹介

パキスタンローチはドジョウの仲間である。

しかし、ドジョウといっても日本のドジョウではなく、外国のドジョウ。

変わったところもあるけれど、飼育していて楽しいお魚。

 

目次

 

基本データ

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【種名】

パキスタンローチ

 

【学名】

Botia lohachata

 

【英名】

Pakistani loach、Yoyo Loach

 

【分類】

コイ目 ドジョウ科 ボディア属

 

【大きさ】

7~8cm程度

 

【生息地】

パキスタン、インド、バングラディッシュ

 

【水温】

20~28℃

 

【寿命】

5~7年

 

ドジョウの仲間?

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まず、パキスタンローチはドジョウの仲間と言っても、我々が想像する日本のドジョウとは色々と違う生き物である。

 

パキスタンローチはその名の通りパキスタンやインドに生息するドジョウの仲間。

 

ドジョウというと↓のようなものをイメージすると思う。

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写真のドジョウはマドジョウと言い、スーパーで生きたまま売られているのもたまに見かける。

 

そして一般的にドジョウと言えば

 

  • かなり大人しい
  • あまり泳がない

 

という姿も思い浮かべるはず。

しかし、それはあくまで"日本の"ドジョウの特性。

上記のイメージで知識もなく飼育しようとすると痛い目に遭うかもしれない(特に混泳面で)。

 

※日本のドジョウでよく泳ぎまわる種は全くいないわけではなく、ホトケドジョウというドジョウはよく泳ぐ。それでも、あまりビュンビュン泳がない種が多い。

 

特徴、水槽での仕草

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パキスタンローチは、単体で見ると非常に飼いやすい魚だが混泳相手を選ぶ魚だと思う。

特に、同種や底物と混泳させる場合は注意してほしい。

特性や仕草などの情報を事前によく調べてから飼育しよう。

 

よく泳ぐ魚である

この魚、明るいときは非常によく泳ぐ

元気いっぱいで水槽を縦断し、外に飛び出すことも多い。

特定の縄張りを持つというより、本当にただ泳ぐ感じ。

 

泳ぎ回るので、私の飼育経験では45センチ以下の水槽では手狭に感じた

あと水槽には絶対にフタをしないと事故る

 

最大7~8センチになる魚が水槽中を泳ぎ回るので、混泳相手によってはストレスを感じる魚もいる。

 

好奇心が非常に強い

パキスタンローチは水槽を泳ぎ回り、その目先に他魚がいればちょっかいを出すことがある

具体的には体表を舐める?ような仕草をしたり、種によっては追い掛け回す。

 

特に同種(同じパキスタンローチ)は追い回す

また私は混泳させたことはないが、コリドラスなどの大人しい底物にもしつこいと聞く。

 

その他

他に特徴があるとすれば、目の下にトゲみたいなのがある。

ネットだと、このトゲを使って敵の目玉をくり抜くとか色々書いてあったけれど、飼育下ではこのトゲが何に発揮されているのかは不明。

 

あとは、クラウンローチみたいに横になって寝る

夜や昼間のライトをつけていない時間は基本的に寝ていて大人しい。

泳ぎまわっている時間と比べると電池が切れたかのように静かである。

 

こんな姿も・・・。

 

 

飼育法

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現在の飼育環境。

 

パキスタンローチは前述の特性を踏まえておけば、ネオンテトラなどの普通の熱帯魚と同じ設備で飼育できる。

特に注意しておきたいのは

 

  • よく泳ぐので、できれば60センチ以上の広めの水槽で飼育する
  • 底を這うようにして泳ぐこともあるため、角があまり鋭くない底砂を使う
  • 飛び出すのでフタを絶対にする
  • 植えている水草はほじくり返されるかもしれない
  • コリドラスなどの大人しい底物類との混泳にはかなり注意する

 

水槽

遊泳力が高いので、幅60センチ以上の大きさを推奨

私は過去に60センチ水槽で飼育していたが、事情により現在45センチ水槽で飼育している。

 

45センチだとダメというわけではないが、少々狭そうなのでサイズアップしたい。

 

底床

砂(ラプラタサンド、ボトムサンド、田砂など)

問題なし。

 

大磯砂

問題なし。現在自分も大磯砂で飼育中。ただし新品の大磯砂は水槽内のphを上昇させる傾向があるパキスタンローチは多くの熱帯魚の例に漏れず弱酸性~中性の水質を好むとされており、phの上昇はベストではないので注意。たまに大磯砂に口先を突っ込んで餌を探しているのを見かける。あと、体の模様に対して何気に保護色になって結構見にくくなる笑

 

溶岩石

角ばっているので避けた方が無難

 

ソイル

致命的な問題はないと思われるが、大磯砂をほじくる姿をよく見かけるので、ソイルも同様にほじくられる可能性がある

 

ヒーター

超必須

 

フィルターとエアレーション

フィルターは外部、上部、底面のどれでも大丈夫

結構泳いで運動するところを見ると「結構酸素を使うのでは?」と思い、自分は上部フィルターや底面フィルターで飼育していた。

 

エアレーションは導入したことないので、なくてもおそらく問題なし。

外部フィルターを使っていて、かつCO2も供給していて不安な人はやってもいいかもしれない。

 

貪欲で基本的に何でも食べるが、傾向としては肉食

ネオプロス、ひかりクレストのミニキャットコリタブ赤虫などを特に好んで食べる。

 

固いものでもバリバリ食べる。

あと浮遊する餌でも、給餌のときは上まで泳いでのぼってきて食べる。

 

餌の話は以下も参考にしてみてね。

inarikue.hatenablog.com

 

混泳

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どの魚においても、個体差が関わってくるため混泳問題は常につきもの。

それでもパキスタンローチ飼育で一番悩ましいのが多分混泳問題。

私の経験で混泳が大丈夫だった種を挙げていく。

 

ちなみに混泳が上手くいく可能性が高いパターンは

  • 大きさをなるべく揃える
  • 同種や大人しい底物をタンクメイトにしない
  • 気弱ではない魚をタンクメイトにする

ことかな。

 

小型カラシン全般

多少の個体差はあれど、問題ないと思われる。

カラシンの中でも小さめのレッドテトラやグリーンネオンテトラから、ブラックネオン、エクエスペンシルなどと2年ほど混泳させたが、意外なことに全く問題がなかった。

ただし、カラシンに関係なくあまりに小さすぎる魚は(ブリジッタエなど)避けるのが無難

 

トランスルーセント グラスキャット

低層を泳いでいることも多く、大人しい魚なので不安だったが問題は起こらなかった

大きさが同じくらいなのが良かったのか、グラスキャットを群れさせていたのが良かったのか、それとも個体差だったのかは分からないが無関心であった。

 

パールグラミー

現在のタンクメイト。我が家のパキスタンローチはパールグラミーに興味があるのか、結構ちょっかいを出す。しかしパールグラミーも気が強く、決して逃げたりしないばかりか、やり返す。どちらかが一方的に追い回すようなことはなく、傷が付いたりダメージもない様子。今のところ微笑ましく見ている

 

ヤマトヌマエビ

ちょっかいを出すことがあるが、大丈夫。ただし、給餌のときはエビが餌を持っていると奪いに行く。

 

終わりに

パキスタンローチは動き回るので見ていて飽きがなく、横になって寝る仕草などがとても面白い魚である。

 

ネットだと凶暴とか色々書かれていることがあるが、私見ではこの魚は凶暴というよりも好奇心が強いだけだと思う。

 

混泳前提で話してきたけれど、単独飼育にしたり、あえて同種を複数飼育して小競り合いなどを防ぐ方法もあり。

 

適切な飼育をして、ぜひ長生きさせてね。

 

当ブログを通して飼育中の生物の飼育観察記録などをレポートしているので、ブログ上部の飼育生物記録というタブからどうぞご覧ください。